膝の内側が痛い、いわゆる鵞足炎です
膝の内側が痛い、いわゆる鵞足炎です。
膝の内側が痛いというと、もう、ひとくくりにして鵞足炎ということになります。
この方の場合は、あぐらをかくと、左のひざの内に痛みが出るということです。
お仕事が保育士さんということもあり、仕事の際の姿勢、クセを聞いていきます。
すると、保育の際に、床にあぐらの逆の姿勢、両膝を内またにして座ることが多いのだそうです。
この姿勢を解剖学的に記すとどうなるのでしょう?
両方の足、股関節を内旋して、さらに、膝関節も内旋する、ということでしょうか。
あぐらの逆の座り方を一般的、日常的には何というのでしょうね?
内また座りとでもいうのでしょうか?
要するに、あぐらの逆の姿勢が続きすぎたので、股関節および膝関節が内旋位に変位したに違いないといえます。
ですから、あぐらをかくと、膝の内側にテンションが生じ痛みがでるということです。
操体法のシンボル図を使って整体します
あぐらをかくと左の膝関節の内側に痛みがでるということです。
このことを操体法のシンボル図をつかって考えてみます。
あぐらですから、これは、左股関節の外旋です。
この動きは操体法のシンボル図をつかいますと、左足の左斜め前方のポジションになります。
経絡的には「胃経」ということです。
この左斜め前方のポジションが作動することによって痛みがでるということは、
その逆のポジションにコリ・拘縮があるために可動域制限をかけていると考えます。
その逆のポジションとは、いわゆる「脾経」、左足の右斜め前方のポジションとなります。
そして、このシンボル図のおもしろい点なのですが、この「胃経」・「脾経」には「裏」のポジションがあるということです。
「胃経」・「脾経」の180度反対側がそれぞれの「裏」のポジションと考えます。
ですから、この方の場合、左足の斜め内側のポジションを視野に入れながら、その「裏」のポジションである、左足の斜め後方のポジションも考慮に入れなくてはなりません。
ですから、もうこれは、狙うのは、左足の腓骨の後面、裏側です。
ヒラメ筋の付着部です。
このヒラメ筋の付着部を整体しますと、ありがたいことに、一発で的中となりました。
そう、もう、あぐらをかいても膝の内側の痛み、鵞足炎は解消されました。
このことを運動学的に説明は可能であろうか?
このこと、膝の内側のいたみ、鵞足炎の痛みがヒラメ筋を整体することで解消されたということを、運動学的に考えてみると、
ヒラメ筋は足関節を底屈する筋肉ですし、
足関節、足首の動きにはかかわっても、膝関節の動きにはかかわりません。
ですから、ヒラメ筋にコリ・拘縮ができたとしても、膝関節にはなんら影響を及ぼすことはないことになります。
けれども、この鵞足炎はヒラメ筋のコリ・拘縮を整体することで解消されました。
やはり、解剖学的・運動学的なアプローチだけでは説明できない現象だといえます。
けれども、現実にそのような現象が起きてしまいます。
このような現象を説明するためには、解剖学的・運動学的には邪道といわれようとも、
このような軸回転の屁理屈は有効だと思うわけです。