なで肩が原因で首の横倒しが窮屈になる

なで肩が原因で首の横倒しが窮屈な肩こりの症例です。

なで肩、肩が下がってしまうことで、

首と肩を結ぶ、肩甲挙筋などの筋肉が引っ張られてしまい、

首を横に倒すことができにくくなり、肩こりとなります。

試しに、肩関節と肩甲骨を内転、背骨のほうに軽く押し込んでみます。
なで肩と肩こり(1)
すると、予想通り、首は右に楽々倒れるようになり、肩こりは解消されます。

このことから、なで肩、肩、肩甲骨が下がることで、首の動きが悪くなり、肩こりになることがわかります。

なで肩の特徴

「運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学」

を参考にしながら、書き進めます。

「なで肩では、

鎖骨は下制し、(下にさがり)

肩甲骨は外転(外にひろがり、伸びてしまい)

下方回旋位(下にさがりながらまわりねじれ)

胸椎は屈曲位(前かがみになり)となり、

上位肋骨も下制(下にさがる)される。」

そして、

「なで肩は、重力に負け、

上肢や肩甲帯が下方に牽引されていると捉えることができる。」

なで肩とは、その名前のとおり、一言でいってしまうと、肩がさがっている。

そのために、肩こりになるということです。

なで肩の症状

なで肩の方はどのような肩こりを訴えるのでしょうか?

ひとつには、この方のように、首が左右に倒れずらくなり、首筋がつっぱり感がでる肩こりです。

また、肩甲骨が外転、引っ張られているため、肩甲骨と背骨との間の息苦しさが出現する肩こりです。

このような、なで肩が原因の肩こりを改善するためには、

「セラピストが肩甲帯を内転・上方回旋位に保持したり、上肢をセラピストが保持したりすると、症状が軽減することが多い」といわれています。

私がやったように、肩から肩甲骨を背中に向けておしてあげると、肩こりは楽になるということです。

なで肩の原因

なで肩・肩こりの原因は

「重力に負け、下方に牽引されるため」とは、いえます。

けれども、重力を受けているすべての人がなで肩・肩こりになるわけではありません。

このことから、重力というよりは、下方に牽引される、動作、作業がつづいたため、なで肩・肩こりになると考えるべきだと私は思います。

重い物をもったり、前かがみの姿勢で長時間作業をしたり。

そのような動作が、なで肩・肩こりをひきおこすと考えます。

また、下方への牽引ですから、

肩関節の亜脱臼も念頭におかなくてはなりません。

肩関節の亜脱臼を整体するだけで、肩から背中にかけての肩こりが解消されるケースは多いものです。

また、肩こりの対処法としては、テーピングも有効な手段になるといえます。

ただ、長い年月がかかっての、なで肩・肩こりですから、回復はやはり、時間を要すると考える必要があります。