さまざまな、痛み・しびれが出現する
座骨神経痛とひとことでいってしまえば、それまでですが、
さまざまな、痛み・しびれの現れ方をするものです。
これらを総称して、坐骨神経痛といってしまうのは、少々、無理があるのではないか、というのが、日々の臨床からの感想です。
お尻から、太もも、下肢、そして、足まで、痛みとしびれがでると、これは、すべて坐骨神経痛となります。
その痛みが、お尻であろうと、ふくらはぎであろうと、太ももの後面であろうと、ひとくくりです。
この説明には、無理があると思われます。
整形外科で坐骨神経痛と診断を受けた、フレンチ・シェフにご来院いただきました。
お尻の違和感と、下肢の前面、すね(前脛骨筋上)のしびれ感をうったえます。
一回目の整体となった、前回、お尻から、ふくらはぎにかけてをメインに整体していきました。
それでも、「だいぶよくなった」といってもらえます。
右の坐骨神経痛です。
仰向けで、左に両膝を倒すと、まだ、お尻に違和感がでます。
ふと、腸脛靭帯を整体してみることにしました。
これまで、坐骨神経痛にたいして、この腸脛靭帯を整体したことがありません。
腸脛靭帯とは、「腸骨稜から、脛骨外側顆へ張る補強線維束」です。
「これに大腿筋膜張筋と大殿筋がつく」とあります。
なんと、わかりやすい説明なのでしょう。
この腸脛靭帯を整体します。
すると、この腸脛靭帯の停止部と前脛骨筋の起始部がほとんどすぐ隣で隣接していることに気づきました。
なるほど!
前脛骨筋・すねのしびれと、腸脛靭帯は密接な関係があるにちがいない!
前脛骨筋と腸脛靭帯は筋肉の連結はしていないけれども、骨の付着部を介して、なんらかの連結が生じる可能性はあります。
腸脛靭帯を整体します。
両膝を左に倒しても、違和感はほとんどなくなっています。
すね・下肢のしびれも消失しています。
来週、もう一度ご来院していただくことにしました。
腸脛靭帯の整体の成果が楽しみです。