「股関節が痛い」といいます。「股関節」といっても、痛みがでているのは、臀部・お尻です。「右足をあげることもできない。階段は左足だけで上り下りしています」といいます。
股関節の痛み(1)
立ったままで、動診してみます。

立ったままで、体幹を右にねじると、股関節・臀部に痛みがでます。

左にねじるのは、大丈夫です。

このように、立位で体幹をねじってもらい、ねじった方向とおなじ股関節及び臀部に痛みが出る場合は、これは、その痛みの出ている股関節に異常があることが多いものです。

ベッドに座ってもらって、右足をふとももから上にあげてもらいます(屈曲)。

痛くて、足をあげることができません。

3回目のご来院です

これまでにも、2回ご来院いただいているのですが、

1回目は膝が痛くてしゃがめない。

2回目は、膝の痛みの再発と手足のしびれ。

3回目の今回は股関節です。

ヨーグルト工場で働いているのですが、

「忙しくて、忙しくて」ということです。

工場の作業の動作に、やはり、物をもって体をねじる動きがあることがわかりました。

まずはi-positionです

座ってもらったまま、体を右にねじると右・股関節・臀部に痛みが出ます。

左にねじるのは大丈夫です。

そこで、体幹を左にねじってもらった姿勢から「i-position」をやってみます。

ねじりの動作は少々良くなりました。

太ももを上げる動作も少々、改善してきました。

つま先を伸ばしてもらいます

ベッドに仰向けになってもらい、膝倒しの動診です。

やはり、股関節・臀部に痛みが出て、左に倒すことができません。

確認のために、「ふくらはぎ」に触れてみます。

これが、驚くほど「ふわふわ」のふくらはぎです。

「しっかり、ふくらはぎをメンテナンスしているんですね~」と感心する私。

前回ご来院した際、ふくらはぎのメンテナンスを指導し、それをしっかり実行してくれていたようです。

それでも、股関節・臀部にいたみが出てしまいました。

これは、ますます、筋肉の問題ではなさそうです。

そうです。

「股関節の亜脱臼」にちがいありません。

股関節を締めてあげると、良くなるにちがいありません。

と、いうことで、股関節を締める操法をやってみます。

「つま先伸ばしです」
股関節の痛み(2)
これまでの「つま先伸ばし」とはチョッとちがいます。

つま先を股関節から足全体でのばしてもらい、その動きがでてきた「踵」に抵抗をかけます。

2回、この操法を行います。

膝倒しの動診です。

「問題ありません」。

座ってもらって、太ももを上にあげてもらいます。

「大丈夫です」。

立位で、体を右にねじってもらいます。

「大丈夫です」。

立位でも右足をあげることができます。

ひとりで「つま先伸ばし」

この方、遠方からのご来院です。1時間半ほどかけて通っていただいています。

そうそう、ご来院いただくわけにもいきませんから、ひとりでやる「つま先伸ばし」を指導します。
股関節の痛み(3)
左足で右の踵に抵抗をかけてもらいながら、右足のつま先を伸ばしていきます。

こうすることで、股関節を締めることができます。

体をねじる作業がつづいたせいで、股関節がねじれて、亜脱臼してしまったにちがいありません。

そのねじれて、亜脱臼した股関節をもとのポジションにもどしてあげて、関節を締める操法を行うことで、亜脱臼が解消されたにちがいありません。

あっという間の、「短時間施術」となりました。

ありがとうございました。