尻もちをついてからの腰の違和感

ころんで、尻もちをついてしまい、それ以降、腰まわりの違和感に悩まされている女性の方です。

ずいぶん回復してきていて、靴下をはく動作も違和感がなくなってきています。

「おかげさまで、ここまでよくなってきました」と喜んでもらえます。

「靴下をはいても大丈夫なんですけれども、ちょっと、腰のあたりに違和感がでて」といい、その動作をしてみせます。

診察ベッドの上で靴下をはく動作をしてもらいます。

膝をお腹の方に曲げてくる動作は大丈夫です。

「これは、できるようになったんです」。

「でも、この姿勢から体をまえにもっていくと、こしのあたりに違和感がでるんです」といいます。

「なるほど」です。私の理解の盲点をつかれてしまいました。

靴下をはく動作というのは、

股関節の屈曲(膝をお腹のほうへ引き上げる動作)のほかに、

体幹の屈曲(体を前に倒す動作)も関係したいたのです。

どちらも作動する筋肉がちがいます。

これまでの整体で股関節を屈曲する動作は改善することができました。

この点については、「腰痛で靴下をはけない」を参照ください。
「腰痛で靴下をはけない」

残すは、この体幹の前屈で出る、腰の違和感を解消することです。

体幹の前屈の探求

ひとつの仮説として、体幹を前屈する動作で腰および臀部に違和感がでるのですから、

背面、背中全体のコリが原因で前屈が窮屈なのではなかろうか?と考えます。

脊柱起立筋、頭の付け根から、背骨、骨盤まで、さらに、太ももの裏側、大腿骨の粗線までを触診、圧痛をかけていきます。

骨盤は骨盤のへりに沿って触診・圧痛をかけていきます。

これで、動診、靴下をはく動作、体幹を前に倒してもらいます。

「さっきより、楽になりましたけれども、まだちょっとお尻のあたりに違和感があります」といいます。

尋ねてみます。

「いま、頭の付け根から、背骨、骨盤、太ももまでアプローチしたんですが、どこが一番効いた感じですか?」と。

「お尻ですかね~」というご返事です。

それでは、さらに、もう一度、お尻・骨盤にアプローチしてみます。

私の圧痛のアプローチは基本的に骨膜へのアプローチです。

ですから、骨盤のへりをたどっていくことになります。

骨盤の後方、大殿筋の付着部を触れていきますと、

「そのもうちょっと下のあたりが効きそうなんですけど」と教えて頂けます。

「このへんですか~?」

「そこです。尻もちついた時にそこから転んだんですよ」と教えてくれます。

確かに、ハリが触診できます。

「梨状筋」です。

なるほど!

さらに、この梨状筋にアプローチするために、

筋腹の上辺からアプローチするのか

筋腹の下辺からアプローチするのか

これも、「どちらが効く感じですか?」とたずねます。

「筋腹の下辺から」と教えてくれます。

それでは、筋腹の下辺からストレッチ操体です。

さてさて、靴下をはく動作をしてもらいます。

さらに、体幹を前に倒してもらいます。

ブラボー!

「お尻の窮屈な感じが楽になりました」といってもらえます。

そういうことだったんですね~。

ありがとうございました。

自分で試してみます

お客様が帰られた後、自分で試してみます。

診察ベッドに足を投げ出して、体幹を前屈していきます。

けっこう、キツイものです。

そこで、「梨状筋」に自分でストレッチ操体をかけてから、確認してみます。

なるほど、確かに、前屈の可動域がよくなることが確認できました。

なるほど、なるほど、たくさんの書ききれないことが頭をめぐります。

なるほど、そういうことだったんです。なるほどです。