「膝の後ろから、ふくらはぎにかけて痛いんです。
それから、太もものうしろも、痛いような、しびれているような感じで」といいます。
この黒テープの周辺を痛がります。
治療院に入ってきた時も、足をふんばるだけで、痛みがはしるようにみえます。
これは、なかなか手強そうないわゆる坐骨神経痛のようです。
整形外科の診断によると
お話を伺いますと、もう一か月半ほど、このような痛みが続いているそうです。
はじめは、膝の後ろが痛かったのだそうです。
高脂血症で内科に通っているので、内科の先生に相談したところ、
内科の先生が膝のレントゲンをとってくれたそうです。
「膝の骨には異常はないから、神経の問題、神経痛かもしれないから、整形外科にいってみてください」といわれ、整形外科へ。
すると、整形外科では、坐骨神経痛を想定して、腰のレントゲンをとったのでしょう。
「腰の骨が狭くなっていて、神経をあっぱくしているから、そのせいで膝から足が痛いのでしょう」という診断を受け、
痛み止めの処方をうけたということです。
痛み止めを飲んでも膝の痛みはいっこうに良くならないので当院にきていただきました。
動診してみると、、、
お話を伺った段階では、私もいわゆる坐骨神経痛を想定してしまいました。
立った姿勢で動いてもらいます。
おやおや、前屈も後屈も左右のねじりでも、痛みも違和感もでません。
これは、何かがちがうようです。
いわゆる坐骨神経痛ではないような気がしてきます。
仰向けになってもらいます。
左右の膝倒しです。これも異常はありません。
はてさて?
左足を屈曲、曲げていきます。
「痛い!」
ほんのちょっと、45度も曲げないうちに、膝の後ろに痛みがはしります。
どうやら、これは、坐骨神経痛ではなく、素直に膝に問題がありそうです。
膝を整体していきます
膝にどのような問題があるのかを探っていきます。
膝を曲げれば痛みが出るのですから、
どのようにすれば、膝の痛みがでなくなるのかをさがしていきます。
どうやら、太ももは外ねじり、外旋しますと、痛みは軽減するようです。
また下肢は、太ももとは逆に内ねじり、内旋しますと、痛みが軽減することがわかりました。
最初は太もも、大腿二頭筋に皮膚・筋膜のアプローチです。
足を伸ばしても痛みがでなくなった、といってもらえます。
まだ、屈曲、曲げていく動きがスムーズではありません。
ちょっと痛みがでます。
そこで、腓骨を下の写真のように内にねじるように、骨の操法を試みます。
すると、おやまあ、嬉しいことに、
膝がスムーズに曲がるじゃないですか。
痛みももうほとんどでなくなりました。
「歩いてみて下さい」
「あ、歩いても痛くない」
「しゃがんでみてください」
「もう、一か月も膝がいたかったから、何だか怖くて、、、。あ、痛くない」
大丈夫、しゃがめます。立ち上がる時も痛みはでません。
「たった20分くらいで、痛く無くなるなんて、、、」と喜んでもらえます。
まずは大成功の整体となりました
お仕事が看護の補助をなさっているので、
その作業中に膝がねじれてしまったにちがいありません。
残念なことに、膝のねじれはレントゲンの画像診断では、
ねじれは写っているはずなのですが、見抜くことはむつかしいということです。
こういった症例は、画像検査にたよるのではなく、
手技で挑むわれわれ職人の技の一端を示す絶好の機会です。
なかなか良い仕事ができました。