操体法の動診で欠かせない膝倒し

私が学び続けている操体法という整体の優れている点の一つは、動いてもらって診断する、動診を導入していることです。

ただ単に、痛い、違和感があるという話を聞くだけではなく、どうすれば痛いのか、どのような動作で違和感が出るのかを確認します。

また、臨床の現場でも動診をもちいながら、その痛みや違和感を再現してみます。

この再現され、出現した痛みを、どのような整体でその違和感を解消することができるかを確認していきます。

操体法で欠かせない動診のひとつが、いわゆる「膝倒し」です。

仰向けになってもらい、両膝をたて、その両膝を左右に倒してもらい、股関節・臀部・腰部に違和感が出現するかどうかを確認します。

股関節が柔軟なやわらかい方ですと、この膝倒しの動診は、それこそ、股関節だけが動くのですが、

大部分の多くの方の場合は、両膝を倒していくと、体幹・腰部も連動して動きます。

そして、その際、痛みや違和感が出現するものです。

両膝を右に倒してみます

例えば、両膝を右に倒してみます。

そのまま、体幹・腰部までその動きを連動させるためには、

骨盤が前傾し、腰椎は伸展・伸びる動作が必要になります。

ちょっとわかりづらいですが確認してみてください。

少なくとも、腰椎の伸展・伸びる動作は確認できるはずです。

そして、この腰椎が伸びる動作の際に、腰に違和感が出現する例が多いわけです。

このことを考察してみます。

腰を伸ばすと、腰が痛い

腰を伸ばすと、腰に痛みが走るということは、

単純に、考えると、腰が屈曲・曲がってしまっているために、伸ばすと腰が痛いと考えることができます。

その腰を曲げてしまっている要因は何なのか?

という問題です。

この両膝を右に倒す動診をして、左の腰に痛み、違和感が出現した場合、

左手の前腕を「剥がす」とその違和感は解消されます。

ここです。

この写真は、右手ですが、左手・前腕のここを剥がすと腰の違和感が消失します。

このポイントは、東洋医学的に、経絡でいうと、

肺経の「孔最」です。

この「孔最」は、鍼灸の教科書では、腕橈骨筋とされていますが、

私は、ここは、「円回内筋」の停止部だと理解しております。

円回内筋の作用は、その名のとおり、前腕を回内、親指の方向にまわす動きです。

この動き、前腕の回内の連動をみてみます。

解剖学的姿位・手のひらを正面にむける姿勢では、確かにそのとおり、前腕を回内していきます。

この姿位をちょっと移動させ、上腕・腕を90度外転・開いてみます。

こんな姿位です。

この姿位で、前腕を回内します。

すると、当たり前ですが、前腕が回内し、それにつれて、上腕・肩関節も内旋します。

そして、体幹は前かがみになります。

そうなるはずです。

前腕の回内、内ねじりは体幹のねじりばかりか、体幹の屈曲も引き起こします。

その状態が続くことにより、体幹は前かがみになっていくわけです。

机に向かって、腕を内側にねじり続けると、体幹・背中が丸くなるという現象がおきてしまうと考えます。

ですから、癒着した「孔最」・「円回内筋」を「剥がす」と、そのクセが解消され、背中が伸びると考えます。

この、癒着した「孔最」・「円回内筋」を「剥がす」と、仰向けからの膝倒しの動診で出現していた腰の違和感は消失する場合が多いものです。

前腕・回内~上腕・内旋~体幹・前傾・猫背

こういった一連の連動が解消されたと考えることができると思われます。

腰痛・腰の違和感の一つのトリガーポイントとして、活用していただけると、ありがたいことです。