今昭宏先生の「楽しくわかる操体法」から基本の操法である「膝倒し」を紹介します。
ーーーーーーーーーー
操者は足の方に座り、両膝に軽く手をおきます。
そして、本人の両膝を左右に倒してもらいます(どちらからでもいいです)。
どこかつらいようなときは無理におこないません。
気持ちよさがあれば、それを十分味わってもらいます。
気持ちよく力を抜いてもらいます(脱力)。
余韻も味わってもらいます。
抵抗のかけ方(左側へ倒す場合)
右手の中指と薬指を左の膝の外側から膝裏にいれるようにして抵抗を与えます。
左手は右膝を支えます。
操者は、本人の膝の動きの邪魔にならないようにします。
左側に倒す時、
「左足の太ももの外側がスウーッとのびるようにゆっくりと両膝を左側に倒してください」
「腰も背中も首もきもちいいようにうごかして」、、、。
などと言葉かけをします。
本人にイイ感じをあじわってもらうには安定した支え(抵抗)が必要です。
できるだけ操者も安定した状態で支えてください。
力を抜いた後すぐに元の姿勢に戻したり、手を「パッ」とはなさないようにしましょう。
ーーーーーーーーーー
基本の操法はこのように、正中線上、真ん中に両膝がくるポジションから始めます。
この正中線上のポジションから、動きやすい方に倒していって、
な~んとなく気持ちのいいポジションで抵抗をかけてもらいます。
きもちいいポジオションで抵抗をかけてもらうことで、全身に膝を倒す動きが連動していきます。
また、脱力したあとも、その余韻を味わってもらいます。
このジワ~ンとした余韻の時間がポイントです。
このジワ~ンとした時間で全身の「筋膜」がリリースされていくと私は考えています。
膝を倒す動きで、運動神経を作動させ、この余韻の時間で感覚神経にはたらきかけていると理解しています。
ですから、「動くこと」と、「味わうこと」のどちらも両方を感じ取ることで、
運動神経と感覚神経にはたらきかけることができ、脳をリセットしていくにちがいありません。