踵の痛みの原因は?
踵の痛みの原因は、そのほとんどが、スポーツの負荷をかけすぎたことからくる「ふくらはぎ」の筋肉のコリの場合がほとんどです。
ですから、ふくらはぎを整体・リリースしますと、踵の痛みは軽減するものです。
「仕事をしていて、立ち上がったら急に踵が痛くなってしまって、足を床についただけで踵が痛い」といいます。
あまりの踵の痛さのために、整形外科を受診して、レントゲン検査をうけたところ、
「骨には異常はない」という診断を受け、湿布を処方されたということです。
湿布を貼っても痛みが引かないのでご来院いただきました。
スポーツはなにもしていないのに踵が痛くなった
お話を聞いていきます。
お仕事は高校の先生であることがわかりました。
季節は5月ですから、
「運動会などのイベントの準備で忙しかったのですか?」
と、聞いてみますが、該当しないようです。
スポーツ・運動も特にしていないということです。
「ふくらはぎ」を使うようなことは特にしていないようです。
「ハテ?」これはいったいどうしたことでしょう?
問診の段階で、思わず考え込んでしまいました。
骨には異常がないのですから、きっと筋肉の問題のはずなのですが、過剰に筋肉を使ってはいないようです。
立ち上がってもらい、左の踵を床につくと、もう「痛い」といいます。
ふと、足の甲を見ますと、静脈が静脈瘤のように浮き出ていますので、ここを触れながら、軽くマッサージしてみます。
この静脈の詰まりが踵に痛みを出しているのかな、という発想です。
残念なことに、痛みに変化はありません。
やはり、踵の痛みの考え方の本流のとおり、「ふくらはぎ」を触診・整体していきます。
すると、外側の腓腹筋に「筋筋膜」のコリを触れます。
ここを整体します。
立ち上がってもらいます。
「まだ痛みはでるけれども、さっきよりは、痛みが軽減している」といってもらえます。
腓腹筋の整体を続行します。
けれども、腓腹筋だけの整体・リリースではこれ以上痛みは軽減しないようです。
踵の外側に痛みが出ているわけですから、素直に下肢の外側を、外側の腓腹筋から、さらに太ももの方までさかのぼって触れていきます。
腸脛靭帯とハムストリングス
腸脛靭帯と外側のハムストリングス、大腿二頭筋との「筋筋膜」との境目です。
ここを触れると、かなり痛がります。
ここを整体・リリースします。
もういちど、立ち上がってもらいます。
「さっきより、痛くない」といいます。
どうやら、踵の痛みの震源地は「ここ」のようです。
「ここ」をアイロンを使って温めながら、整体・リリースします。
震源地がわかれば、そこの筋肉のコリを整体・リリースすることで、痛みは徐々に解消していくはずです。
腸脛靭帯とハムストリングスが作動する姿勢
尋ねてみます。
「座っている時に、つま先で足を踏ん張る様にして座っていませんか?」
「それなら、思い当たります」といいます。
とにかく、事務処理の量が多くて一日中、机に向かっているのだそうです。
その時、左足のつま先で踏ん張りながら座っているに違いありません。
つま先で踏ん張りながら座るということは、
足関節は背屈し、ふくらはぎはストレッチ、伸ばされています。
そこに踏ん張るのですから、力が加わります。
すると、同じように、ハムストリングスと腸脛靭帯も作動します。
膝を軽く曲げて、中腰を維持するような姿勢になります。
試してみると、すると、ふくらはぎもハムストリングスも腸脛靭帯もパンパンに張って作動することがわかります。
このような姿勢が長時間・長期間、続きすぎたせいで、腸脛靭帯とハムストリングスが凝り固まってしまったようです。
あとは、震源地がわかりましたので、自分での腸脛靭帯とハムストリングスのリリース・整体の仕方を指導しました。
大丈夫、座っていてもできることです。
踵の痛みが、ふくらはぎを通り越して、ハムストリングスや腸脛靭帯のコリからも引き起こされることを学ばせていただきました。