正座すると足の甲が痛い

正座すると足首・足の甲に痛みがでます

久々にご来院いただいた剣道に励む中学生です。

正座すると足首・足の甲に痛みがでるということです。

ここです。

ちょうど、足の甲の一番高くなって、出っ張っている部分です。

舟状骨から中間楔状骨の周辺といえそうです。

正座すると、床にちょうどこの部分が触れるため痛みがでるようです。

日常生活では支障はないのだけれども、

剣道の試合の時、その始めと終わりに正座して「礼」をするのだそうです。

その時足の甲が痛くて、正座から立ち上がるときに、ふらついてしまうのだそうです。

試しに正座してもらうと、

本人の写真を撮らなかったので、ガイコツ君の写真ですが、

左足首は内旋、右足首は外旋してしまいます。

左足首は正常なのですが、右足首がしっくり倒れてきません。

この動きは実は、足関節の問題ではなく、膝関節の問題なわけです。

このことについては、

「膝関節の外旋・足が外に開いている」

で記させていただきました。

けれども、やはり、足関節の問題のように映るものですから、整体はやはり下肢・ふくらはぎから始めます。

下肢を整体する

右の足首がしっくり正座できないわけですから、

下肢の前面の筋肉群、シンスプリントを狙い、

さらに下肢の後面の筋肉群、ふくらはぎを整体します。

下肢の前面の筋肉群、

前脛骨筋
長趾伸筋
長母指伸筋

にコリ・拘縮があると、足首が底屈、伸びないと素直に考えたからです。

それと同じく、前脛骨筋の停止部である、足の裏、内側楔状骨・第一中足骨の底の「剥がし」の試みます。

けれども、痛みが出ている、舟状骨・中間楔状骨の周辺の痛みはあまり変化はでません。

こうなると、足の裏・足の甲・ふくらはぎとしらみつぶしに触診・整体していくことになります。

さらには、舟状骨・中間楔状骨の周辺の「骨の操法」も繰り出します。

けれども、上手くいきません。

下肢で問題が解決しないのであれば、今度は、太ももです。

うつ伏せになってもらい、「ハムストリングス」を整体します。

なんとなく、ちょっと、良くなったような、変わらないような感じです。

あと、残されているのは、太ももの前面ということです。

舟状骨・中間楔状骨の周辺に痛みを出している「トリガー」を探していきます。

大腿四頭筋がトリガーでした

しらみつぶしの整体ですから、思い当たるすべての筋肉に触れていきます。

仰向けになってもらい、大腿四頭筋の大腿直筋に触れると、「痛たたた」という反応がでました。

これはもう狙います。

大腿直筋と外側広筋との筋・筋膜の「境目」に触れて、「剥がし」ます。

そして、正座してもらうと、右足首が外旋して、座りずらそうだったのが、スムースに正座できて、足関節が、しっくりと倒れ内旋しています。

「足の甲の痛みはどう?」と尋ねますと、

「さっきより全然いいです」という答えです。

これはもう狙います。

大腿直筋と外側広筋を整体します。

これで、足の甲の痛みは解決しました。

このことはどう考えたらよいのでしょうか?

解剖の本をひもといて、足の骨の筋肉の付着をみると、

舟状骨・中間楔状骨の足の甲側には何の筋肉も付着していません。

けれども骨ですから、もちろん骨膜で包まれてはいます。

筋肉の連動・連結ではなく、骨膜の連動・連結でテンションが生じていると考えるしかありません。

大腿四頭筋の筋肉の拘縮・コリが舟状骨・中間楔状骨の周辺の骨膜を引っ張るのでしょう。

単に筋肉の連結をたどっていっても、このような結論はでてきません。

唯一、参考になるのは、東洋医学の経絡の流れでしょうか?

「胃経」の流れをたどっていくと、確かに、太ももから下肢前面と通り、足の甲をたどる流れを想定することができます。

筋肉の連結ばかりか、骨膜の連結も想定できます。

まあ、素直に、単純に、足の甲をそのまま、まっすぐ上までたどっていけばいい、といえば、それまでですけどね。

いずれにしても、痛みを発生させているのはその離れたところに原因、トリガーはあるようです。