股関節を開くと鼠蹊部に痛みがでる
股関節を開くと、股関節の内側、鼠蹊部に痛みが出ます。
このことの論考は、すでに
「股関節の痛みと上腕二頭筋」
と題してレポートさせていただきました。
この論考では、股関節を開く動作、
股関節の外旋、ねじりの動作に着目した論考となっております。
股関節の外旋の動作の関節可動域制限を引き起こしている一つの原因として、反対側である右腕の上腕二頭筋のコリ・拘縮が考えられることを指摘させていただきました。
このことを気づかせていただいた方に、定期的にメンテナンスとして通院していただいております。
ちょうど、この方のご来院日です。
やはり、まだ、左の股関節を開くと、股関節の内側、鼠蹊部に痛みが出現します。
けれども、以前より、ずいぶんとその関節可動域も痛みも軽減してきています。
まずは、やはり、右の上腕二頭筋を整体していきます。
上腕二頭筋の筋腹はもちろんのこと、
その停止部が二股にわかれることから、
内側、尺骨側の上腕二頭筋「腱膜」と
外側・中央の橈側、「橈骨粗面」を整体します。
すると、やはり、「股関節の痛みと上腕二頭筋」のレポートで記したように、
可動域の変化と痛みの軽減が見られます。
けれども、まだ、鼠蹊部に痛みが出現します。
股関節の内転・外転
この股関節を開く動作は、股関節の内旋・外旋のほかに、
股関節の内転・外転の動作も加わっています。
股関節の外転とは、その名のとおり、股関節を外に開く動作です。
股関節の外旋の動作は、上腕のねじりの動作と関係していることはわかりました。
それでは、これとは別に外転の動作に可動域制限をかけている筋肉へのアプローチがまだ足りないと素直に考えてみます。
そう、大腿骨の内側、その名もズバリ・内転筋です。
この方、とてもスリムな体形の方なので、
大腿骨の内側を軽く触れただけで、そのコリを感じることができます。
解剖学の本をひもときますと、
大内転筋は大腿骨の内側上顆からはりつくように広く付着しています。
この大腿骨の内側を整体します。
あまり後ろ、後面にいきますと、今度は半腱様筋・半膜様筋に触れますから、
まさに、大腿骨の内側、真横に触れて「剥がし」ます。
ビフォーアフターの確認です。
股関節を開いてもらいます。
「あ、いいみたい」。
と、いってもらえます。
けれども、かなり痛かったそうです。
まさに大腿骨にこの大内転筋が張り付いている感触がつたわってきましたから。
やはり「触れる」ということの大切さを思い知らされるわけです。
そして「触れる」ことからどんな情報をひきだすことができるか。
感知できるか、その能力を日々、磨いていかなくてはなりません。
そして、この触れる能力を高めるためには、ひたすら「触れる」ことしかないと思われます。