その痛みやしびれは狭窄(きょうさく)のせいか?

脊柱管狭窄症というのは、整形外科的には、脊柱、つまり背骨の中の脊髄神経が通っている部分がなんらかの理由により、狭窄(きょうさく)、狭くなったことから、臀部から下肢にかけて、痛みやしびれなどさまざまな症状を出すということになっています。

背骨の中の問題ですから、整形外科的には、治療とすれば、手術して、その狭窄、せまくなっている部分をひろげてあげることになります。

それ以外に治癒することは考えられません。

ましてや、手術などできないわれわれ民間治療家では手の施しようがない、ということにとりあえずはなっています。

けれども、生意気ですけど、私、この脊柱管狭窄症、好きなんですね~!

「ええ!!!」という症状の方が「脊柱管狭窄症」の病名のもとにご来院します。

娘さんからのお電話で「脊柱管狭窄症なんですが、、、」ということでお母様がご来院です。

ご主人と電話をくれた娘さんも同行してきました。はるばる葛巻町、盛岡から一時間半もかかるところからです。

sさん(68歳・女性)がいうには、「2年前から足の裏がボコボコする感じになって、歩くのも不自由になった」といいます。

大丈夫、十分、しっかり歩けてますけれども、、、。

「それで、盛岡の整形外科で診てもらったところ脊柱管狭窄症と診断された」とのこと。

定期的にかよい、薬も処方してもらっているが、一向に良くならないので、ご来院いただきました。

足裏がボコボコする感じ

「足裏がボコボコする感じですか?」と私。

この表現ははじめてです。「足裏がボコボコする感じ、、、」。

岩手県人の私でさえ、同郷の方の表現が理解できないのですから、これをお読みのみなさんはもっとおわかりにくいことと思われます。

「足裏がボコボコする感じ」。

「足裏のどの辺がボコボコする感じなんですか?」

右足はすべての指の付け根、指の中足指節関節と拇趾と第二指がボコボコするといいます。

左足もすべての指の付け根、指の中足指節関節とすべての足指がボコボコするといいます。

「お仕事は?葛巻町だから酪農っか?」とききます。

「いいえ」といったきり、詳しくは語りませんから、それ以上聞きませんが、「一日中忙しく働いてます」といいます。

「なぁ~るほど、働きすぎか!」

働きすぎて、足指が開いたということか!これでいってみます。

座位から足をダランとさげてもらい、左右の足の「中足骨」を足底にまるめこみながら締めてみます。

中足骨の骨の操法です。

また、足は明らかにほてっていて、また、フニャフニャした感じも伝わってきます。

「気持ちいいです」と言ってくれます。

この言葉は嬉しいです。正解です!というサインですから!

ジワ~ッと締め続けます。

動診です。歩いてもらいます。

「ボコボコ感はどう?」

「ちょっとだけど、なんとなく良くなった感じ」といってくれます。

仰向けになってもらい、続行します。

さらに、ほてり感もあるので、足底と足甲のどちらからもサンドイッチにして、中足指節関節と足指を氷で冷やします。

中足骨の締めと氷での冷却を交互に3回ほどくりかえします。

歩いてもらいます。また、ほんの少しですが良くなった感じです。

働きすぎ、歩きすぎますと、足趾は伸展、足指が反って靭帯が伸び切った状態になります。

ですから、さらに足趾を軽く屈曲気味にして、踵の方向に軽く押し込みます。骨の操法です。

中足骨の骨の操法と足趾の屈曲状態の骨の操法の合わせ技です。

また、「気持ちいい」といってもらえます。

またまた、大正解です!

自分の両手をまるくすぼめるようにすると、手のひらでちょうど、sさんの足趾を包み込むことができます。

そしてさらに、自分の拇指と小指とで中足指節関節を締めていきます。さらに踵方向に足趾にも「圧」を加えていったわけです。

なんとも、指とは器用にできているものです。

やればこんな合わせ技もできるものです。

歩いてもらいます。

「まだボコボコ感はあるけれども、ずいぶん楽になった感じ」といってもらえます。

理屈がわかったので、キネシオテープで中足指節関節を足底をとおして巻き留めて、また歩いてもらいます。

「あ~、楽だ!」といいます。

「足をこうやって締めてあげると、なんぼかだけれど、楽になったんだから、これは脊柱管狭窄症のせいでボコボコ感が出てるんじゃじないと思いますよ。

働きすぎて、足がベタ~っとひろがってしまったんですよ、きっと」。

そこで、働く時のキネシオテープの装着と、働いた後、足をご主人に締めてもらうことをアドバイスして、今日の治療はおしましです。

やっぱり、脊柱管狭窄症は謎解きみたいで思いっきり考えてしまいます。

一度で治せたわけではありませんが、まずまず、60点でしょう!