膝の内側の痛み
膝の内側が痛い、いわゆる「鵞足炎」ということになります。
整形外科的には、太ももの骨(大腿骨)と、下肢の骨(脛骨)の内側がこすれることで、膝の内側に痛みが発症する、ということになっています。
けれども、これも、臨床の現場では、これもどうやら、別な考え方ができることが分かつてきます。
太ももの骨(大腿骨)と、下肢の骨(脛骨)の内側がこすれるとしても、
なぜ、こすれるようになったのか、という原因、メカニズムを考えた方が、膝の内側が痛い、いわゆる「鵞足炎」の痛みを解消するのには役に立ちます。
右の膝を伸ばすと、膝の内側に痛みが出る
数か月に一度、膝の内側が痛くなった、といって、ご来院いただいています。
もう、お店に入って来る、歩き方をみるだけで、膝が痛そうなのがわかります。
なぜって、いわゆる「O脚」になっているからです。
O脚になる原因は様々考えられます。
その一つには、ハムストリングス、半腱様筋・半膜様筋の拘縮・コリが原因として考えられます。
なぜなら、半腱様筋・半膜様筋の作用には、下肢を内旋する作用があるからです。
ただ、内旋しただけでは、O脚にはなりません。
下肢を内旋することで、さらに、足関節の内反が連動してしまうことから、O脚が出現してしまうのではなかろうか、と私は考えています。
この方、膝関節が伸びないといいます。
膝を伸ばすと、膝の内側に痛みがでます。
膝を伸ばすと膝に痛みが出るのですから、素直に膝関節が縮こまって、拘縮してしまったために、伸びないと考えます。
ハムストリングスを整体します
ハムストリングス、半腱様筋・半膜様筋に触れていきます。
半腱様筋を触れるのは容易です。
膝窩の内側の「腱」が半腱様筋の「腱」だからです。
膝関節を軽く屈曲させますと、この半腱様筋の「腱」が浮き上がります。
この膝を伸ばして、膝の内側に痛みをだす原因となっているのは、この半腱様筋よりも、
その深層にある半膜様筋のようです。
半膜様筋は太もも、大腿では、半腱様筋の外側に位置します。
けれども、下肢では、半腱様筋の内側に位置します。
この半膜様筋を整体します。
太ももでは、太ももの内側の筋腹にコリができています。
下肢では、半膜様筋の停止部に近い所にコリを触れます。
半膜様筋の停止部の触診はなかなかむつかしく、
腓腹筋の深層に位置してきます。
ですから、腓腹筋の内側をさぐるようにしてたどっていきます。
この半膜様筋を整体しますと、膝関節を伸ばしても膝の内側に痛みが出なくなりました。
また、O脚も緩和され、足は真っすぐに伸びています。
ハムストリングスが拘縮する原因は?
この方の場合、ハムストリングスが拘縮してコリになってしまう原因は「座り病」だといえます。
仕事をすでに退職してしまったために、日がな一日椅子に座っている時間が長いということです。
すると、椅子の座面とハムストリングスが常に触れ、圧迫され続けます。
このことから、ハムストリングスが血行不良となり、コリができるのではなかろうか、と推測します。
座っているだけでも、膝は痛くなってしまいます。