人指し指のしびれ

人指し指のしびれ感

人指し指に違和感、しびれ感、なんとなく感覚の鈍さがあるということでご来院いただきました。

ここです。これは私の手ですが。

人指し指の橈側側にそのような違和感があるといいます。

また、この辺を中心に指先まで、そのような違和感があるということです。

お話を伺いますと、草取りを頑張ったら、その直後からこのような違和感が出てきたのだそうです。

と、いうことは、この人指し指のしびれ感の原因は、手・指の使い過ぎに違いありません。

しびれ感についての仮説

感覚の異常、それは、痛みであったり、しびれ感であったり、さらには、熱い・冷たいまで、これらの感覚は、感覚を感じ取るセンサー・受容器が作動することでひきおこされます。

けれども、このしびれ感は、臨床にたずさわっていると、ちょっと変わった感じがします。

私の感じでは、もちろん医学的にも検証されているわけではありませんが、このしびれ感というのは、「牽引・引っ張られる」ことで引き起こされるように思われます。

「牽引・引っ張られる」といっても、それはさまざまで、例えば、関節を「牽引・引っ張られ」てもしびれ感は出現するようです。

また、筋膜・骨膜が「牽引・引っ張られ」てもしびれ感は出現するようです。

またまた、さらに神経線維が「牽引・引っ張られ」ても、しびれ感は出現するようです。

ですから、しびれ感が出現している場合には、その「牽引・引っ張られ」ているのが、関節であるのか、筋膜・骨膜であるのか、神経線維であるのか、自分なりに想定し、鑑別することが必要になるような気がしています。

例えば、正座を長い時間続けていると、下肢にしびれ感が出現してきます。

この現象をどう説明するかということです。

座っていることで圧迫され血流が悪くなりしびれ感が出現したという説明もできるでしょう。

また、この「牽引・引っ張られる」の立場から、膝関節が曲げられ、ひきのばされることで、関節・筋膜・骨膜・神経線維が「牽引・引っ張られる」ことで出現したといっても、説明できそうです。

「牽引・引っ張られる」と、しびれ感を感知するセンサーが作動するようです。

本当かどうかはわかりませんが。

それでは、この人指し指のしびれ感をこ「牽引・引っ張られる」説で説明するとどうなるでしょうか?

人指し指のしびれ感の仮説

この方、草刈りを「鎌」をにぎって、3~4時間夢中で、草取りをしたそうです。

そう、「鎌」をにぎって。

鎌をにぎる動作は、手の甲・背側面が伸びます。

指関節も手の背側面が伸びます。

そう、指関節の背側面に「牽引・引っ張られる」現象が出現していると考えられます。

すると、指関節の背側面がゆるんでしまいます。

また、この「牽引・引っ張られる」動作がつづきますと、「牽引・引っ張られる」面の骨と筋膜・骨膜とが密着し、癒着しはじめると想定します。

このように想定して、ひとつには、指関節の隙間を「詰めて」いく、骨の操法を試みます。

軽く指関節の間を押すだけで、感覚の変化があらわれ、

「ちょっとしびれ感がかるくなった」といってもらえます。

やはり、「牽引・引っ張られる」説は有効だと思われます。

けれども、まだ、完全にこのしびれ感が消失したわけではありません。

関節面の「牽引・引っ張られる」・乖離だけではなく、やはり筋膜・骨膜の癒着も想定しなくてはいけないようです。

このしびれ感が顕著にでている、写真の部位を整体「剥がし」ていきます。

なんとなく、やはり、骨に筋膜・骨膜が張り付いている感覚が伝わつてきます。

また、さらに、私は「はり師」ですから、鍼でこの部位に刺すのではなく、チクチクと皮膚表面に刺激を与えていきます。

すると、やはり、指の表面の皮膚が柔らかくなり、動きがでてきました。

成果はありました。

「しびれ感が来た時より楽になってきました」といいます。

もう少し、指の整体する範囲を広げてみます。

ここです。

人指し指の「爪甲根部(そうこうこんぶ)」です。

なんとなく、冷感・張り付いた感があります。

ここも同じように「剥がし」ていきます。

さきほどより、またさらに指の感覚がもとに戻ってきたようです。

あとは、自分でこの「剥がし」ができるように、

その「剥がす」ポイントと「剥がし」方を教えます。

これだけ、感覚が元に戻ってきたのですから、あとは、完全にもとの感覚に戻るまで、自分で整体・「剥がし」を続けていただくと、完治するものと思われます。

このように、「しびれ感」は、「牽引・引っ張られる」説で説明、対応ができるのではなかろうか、と、私は考えております。