いわゆる坐骨神経痛です
「腰が痛くて」ということでご来院いただいたのですが、
お話を伺っていくと、どうやら腰ではなく、太ももの前からお尻にかけてが痛いのだ、ということが確認できました。
盛岡で人気の整形外科を受診し、腰にブロック注射を打たれたものの、その痛みはひかないということです。
お尻から太ももにかけての痛みですから、これも確かにいわゆる坐骨神経痛の症状といえます。
どのような姿勢、体勢をとると痛みが走るのかを尋ねますと、
「立ち上がると痛い」といいます。
動診してみますと、
体幹をそらす動作と、体幹を右にねじる動作とで、右の太ももからお尻にかけて痛みが出現します。
腰痛のひとつの仮説
腰痛の動診の結果から、一つの仮説をもっています。
まだ、レポートはしていないのですが、
体幹の前屈で痛みが出現する場合は、その原因は足にあり、
体幹の後屈で痛みが出現する場合は、その原因は上肢・手にある、という仮説です。
この私の仮説に従い、体幹を後ろに反らすと太ももとお尻に痛みがでるのですから、まずは手・指から整体していきます。
この方、指を整体されて、「指などもんで何してるの?」とばかりに怪訝な表情を浮かべます。
そのとおり、残念なことに、指からでは、何の変化も現れません、残念です。
さあ、これからです。
足から整体していきます
手からダメなら足からです。
動診にひとつのヒントがあります。
体幹を右にねじった際に、右の太ももからお尻にかけて痛みが出現する、
このような場合、「股関節」に原因がある場合が多いものです。
太ももを内旋・外旋してみますと、
内旋位にすると痛みが出現することが確認できました。
「これさ、太ももを内側にねじってしまったんだとおもいますよ」と伝え、右足を内側にねじこんだポーズをしてみせます。
すると、この方、毎日ゴルフの練習に通っていて、ゴルフのポーズを思いうかべたようです。
「いま、ゴルフのレッスン・プロについていて、右足をぐっと、ねじりこむように指導を受けていたんです。
そうしたら、お尻から痛みが走る様になったんです。
なるほど、思いあたります」といいます。
原因はわかりました。
どうやら、股関節が内側に、内旋位に変位したせいで、お尻にいたみがでているようです。
股関節を整体します
このような想定で股関節を整体します。
まずは、太ももに触れていくと、内側の半腱様筋・半膜様筋が「腱」になって固くなっていることが確認できます。
なるほど、半腱様筋・半膜様筋の筋肉の収縮です。
半腱様筋・半膜様筋を整体しますと、立ってもお尻に痛みはでなくなります。
けれども、まだ不具合を訴えます。
されば、とて、直接、股関節のポジションを整体していきます。
はまるポジションを探します。
けれども、これがなかなかうまくみつかりません。
どう動かしても、股関節に痛みがでます。
これはどうやら、股関節そのものより、股関節を歪ませているほかの原因がありそうです。
もう一度、ゴルフの右足をねじりこむポーズをしてみます。
なるほどです。
股関節のほかに、下肢も内側にねじり込むわけです。
下肢の筋肉と「腓骨」を整体します。
腓骨を外旋位に整体します。
動診です。
体幹を右にねじっても、もうお尻にも太ももにも痛みは出現しなくなりました。
腓骨のねじれが、股関節にまで影響をあたえることがわかりました。