20年来の腰痛

もう20年来の腰痛ということです。

「朝、目が覚めても腰痛で動けないし、時間がたてばどうにかなるんですけどね」

「靴下も腰痛でスムーズにはけません」

「顔を洗おうとして、前かがみになると、腰痛がでます」

「一日に一度は、ギックリ腰のような、ズキンとした腰痛がはしります」

「20年前には、椎間板ヘルニアということで、髄核の手術も受けています」

「一年に何回かは、腰痛がひどくて、もう動けなくなって、腰痛で一週間ほど寝込んでしまいます」

なかなかこれは手ごわそうな腰痛です。

腰痛の確認です。動いてもらいます

まず、前屈です。

90度ほどまでいきますと、

「もう、チョッと怖い感じ。もう20年も腰痛ですから」

「でも調子のいい時は、手が床までつくんですよ」

体を後ろに反らしてもらいます。

「痛い」。仙骨と左臀部に痛みが走ります。

左右のねじりは大丈夫です。

体を左にたおすと、左の腰に痛みが出ます。

もうチョッと動いてもらいます

仰向けになってもらい、片足づつ、外にひらいてもらいます。片足づつの膝倒しです。

右の膝倒しの感じが少々スムーズさに欠けます。右の股関節に何かありそうです。

股関節を屈曲、曲げていきますと、右足を曲げていくと、90度ほどで腰痛がでてきます。

そして、足を伸ばしていきますと、「ほら、コツンと股関節が鳴るでしょう?」といいます。

私には、聞えませんが、「コツン」と股関節が鳴るようです。

「時々足を動かせば股関節が鳴るんです。もう、ずいぶん前からですけどね」

股関節に何かありそうなのがわかってきました。

「それとね、横すわりをするじゃないですか?そうすると、片方、左にしか座れないんです。

反対、右に足をやると、窮屈で不安定で座れません」

「それと、両足を前に伸ばしてもきつくて座れません」

これは、この腰痛を解決するための、大いなるヒントです。

腰痛を解決するために、こんな操法をやってみます

腰が痛いのは「左」ということでしたが、

動診してみますと、腰痛の原因がありそうなのは、「右」のほうです。

右の股関節を外転・外旋から内旋してもらいます。
腰痛と股関節(1)
股関節の屈曲での動きが良くなってきました。

けれども、ベッドの上で足を伸ばして座ってもらいますと、「まだ腰が窮屈で座れない」といいます。

まだまだ股関節の歪みが解消されません。

そこで、お話に出ていた「横座り」からの操法をやってみます。
腰痛と股関節(2)
両足を左に伸ばして、横座りです。

そこから、左足を伸ばしてきてもらいます。

動診です。

横座りをしてもらいますと、先ほどより、反対の右に足をのばしても、姿勢がくずれなくなっています。

変化がでました。これは、もう一度です。

今度は、さらに、左足を伸ばしてもらいながら、右の股関節にも「圧」をかけたいので、

右手を頭方に伸ばしてもらいます。

すると、右側の脇の下、、肋骨から股関節までが、ねじれながら伸びていきます。

右に足を伸ばしての横座りがずいぶん楽になってきました。

それでは、両足を伸ばして座ってもらいます。

「大丈夫です」。座れるようになりました。

立位での前屈です。

両手が床に楽々とつきます。

「どうやら、右の股関節が原因だったようですね。以前に働いていた時に、足を組んだりして、股関節が歪んでしまったんじゃないんですか?」と私。

「股関節のせいで、腰痛になったりするんですか?」

「なりますよ。だって、ほら、このとおりでしょ」

こんなふうに、腰痛といっても原因が股関節の場合もあるわけです。