(1)鎖骨の骨の操法と首の回旋
首のねじりや左右の側屈でその可動域が不十分であったり
首をねじったり、側屈することで、首筋また肩にかけて
ツッパリ感が生じる方は多いものです。

鎖骨にアプローチします。

座位です。操者は被験者の後ろに立膝で立ちます。
両手の2指から5指で鎖骨に触れます。
母指は肩甲骨に触れます。

両手で軽く胸鎖関節に「圧」をかけます。

そのポジションから両手を
ですから鎖骨も肩甲骨もどちらにも触れながら
鎖骨を前方と後方に軸回旋させてみます。

前方の軸回旋が「快」なのか
後方の軸回旋が「快」なのか
被験者にたずねながらやります。

アカデミックにカパンディ「関節の生理学」を引用します。

「胸鎖関節では、第3番目のタイプの運動、すなわち30度の軸回旋が生じる。

胸鎖関節での随意的運動にこの自動的鎖骨の回旋がつねに伴って生じるということは、実践的観察により、すでに実証されている」

そうです。鎖骨は前方にねじれたり、後方にねじれたりするのです。

被験者に「快」を聞き分けてもらえない場合には、
首を窮屈感、ツッパリ感の出るポジションにキープします。

そのまま、鎖骨を前方回旋、後方回旋させてみて、
窮屈感、ツッパリ感が消失する方向にズラシつづけます。

Nさんです。前方回旋すると窮屈感が消えます。
そのまましばらくキープします。

あ~ら不思議、首はスイスイ動きます。

猫背の人が多いので、鎖骨を後方回旋させた方が「快」の人が多いのかとおもいきや、案外前方回旋で症状が良くなるケースが多いものです。

やはり自分の思い込みだけで操法をやってはいけませんな。なんでもやってみること、尋ねてみることですね。

(2)腓骨の骨の操法と足首のねじれ
被験者に仰向けになってもらい足首を観察すると、

案外、足首が90度にたったままだったり、さらに内側にまではいっている方はけっこういるものです。

動診をしてみますと、当たり前ですが、足首および股関節が内旋しているのですから外旋がきついものです。

原因は二つ考えられると思われます。

一つは股関節が内旋しているということ
もうひとつは足関節が内旋しているということです。

あたりまえすぎますね。スミマセン。

Nさんです。
両足とも90度よりさらに内側に少々内旋しています。

動診しますとやはり外旋(外ねじり)が窮屈だといいます。

はじめは基本のセオリーどおり
足首は外旋(外ねじり)が窮屈なのですから
外旋(外ねじり)のポジションから内にねじってきてもらい、抵抗をかけます。

あまり変化はだせません。

きっと股関節のねじれではないのでしょう。

ストレートに腓骨にアプローチします。

腓骨頭を外旋位にキープして
さらに足関節も外旋位にキープします。

もうひとつさらに腓骨頭、足関節を外旋位でキープしたまま、
膝関節を屈曲・伸展をなんどかしてもらいます。

すると内旋していた足関節が
やや外旋位にまでひろがってきました。

腓骨のねじれからでも足関節の内旋位・外旋位は生じるようです。

(3)鎖骨の骨の操法と上腕の屈曲・伸展の改善

上腕(腕)を前方から上げていきます。屈曲です。
上腕(腕)を後方に上げていきます。伸展です。

屈曲制限のある被験者には
後方回旋の鎖骨の骨の操法。

伸展制限のある被験者には
前方回旋の鎖骨の骨の操法。

これをやりますと
「あれ~なんで~!」と驚かれるものです。

(4)仰向けでの窮屈感と骨盤の骨の操法

仰向けになってもらうと、臀部に痛みが走る方は多いものです。

仰向けになったままで、

被験者の横から骨盤を操作します。

被験者の腸骨を前方回旋してみたり
後方回旋してみたり試してみます。

その調整で痛みや窮屈感が消失するポジションがみつかったなら
そのままキープします。

前方回旋で痛みが消失するケースが多いようです。