結帯動作の探究をまだまだ続けております。
ご来院いただいた、すべての方に、この結帯動作の動診を行います。
すると、日々新たな発見があるものです。
結帯動作を改善させるための整体をおこなう際、その鉄則は、やはり手・前腕から攻めるというものです。
それでも、改善してこないなら、上腕・肩甲骨へと、さかのぼっていきます。
今回のケースはここ、
棘上筋です。
棘上筋は肩関節・上腕を外転・横上げする際の、初動時に作動する筋肉です。
この筋肉が結帯動作の邪魔をするわけです。
結帯動作には、上腕を伸展・内旋するほかに、
微妙に、わずかですけれども、体幹の中心にむけて、上腕をひきこむ動作、内転が加わっています。
この動作に制限がかかっても、やはり、結帯動作は可動域制限を引き起こします。
この動作もただ単に、結帯動作の動診をするのではなく、
結帯動作のポジションから、上腕を内転してみて、その動作の可動域制限をよく観察してみます。
やはり、内転の動作がスムーズでないケースには良く遭遇するわけです。
内転する動作の反対の動作は、もちろん「外転」です。
ですから、この外転する筋肉である棘上筋にコリ・拘縮が生じますと、結帯動作の可動域制限が生じます。
今回遭遇した方は、保育士さんです。
幼いお子さんのクラスを担当することになり、「おんぶ紐」でおんぶにだっこを強いられています。
すると、ちょうど、この「おんぶ紐」が棘上筋に触れ、めり込むわけです。
こんなことから、棘上筋にコリ・拘縮が生じてくるにちがいありません。
もちろん、棘上筋を整体することで、
結帯動作の可動域は改善されました。
ただ、この方、日常のお仕事で、肩・棘上筋に負担がかかっていますから、
完治するとは、なかなか考えにくいものです。
メンテナンスの必要性が、このような方には必要になってきます。
日々の自分でのメンテナンス、また、当院に定期的にご来院いただいてのメンテナンス。
いずれも欠かせないメンテナンスであると思われます。