目次

1.わたしの肩こりは、なぜ治らないの?
2.国民生活基礎調査による肩こりの現状
3.肩こりの症状
4.肩こりの原因
5.肩こりの予防法
6.肩こりで凝ってしまった筋肉を「筋膜リリース」する必要性
7.肩こりの原因となる筋肉
 7-1.頸椎と頭蓋骨との関係が原因の肩こり
 7-2.頸椎と肩甲骨との関係が原因の肩こり
 7-3.頸椎と肋骨との関係が原因の肩こり
8.さらに筋肉の連結を考慮して施術します
9.筋膜性疼痛症候群について
10.肩こりについての探究レポートの一覧

わたしの肩こりは、なぜ治らないの?


①毎日湿布を貼ってるのに、わたしの肩こりは、なぜ治らないの?
②痛み止めをちゃんと服用してるのに、わたしの肩こりは、なぜ治らないの?
③マッサージに通っているのに、わたしの肩こりは、なぜ治らないの?
④電気治療を続けてるのに、わたしの肩こりは、なぜ治らないの?
⑤頸椎にブロック注射をしたのに、わたしの肩こりは、なぜ治らないの?

あなたの肩こりが回復しないのは、、きっと、肩こりの本当の原因である「筋膜」のコリにアプローチしていないからだと、わたしは考えます!

もうひとつは、姿勢の問題です。姿勢のクセをつくったのは日常生活の中での同じ動作の繰り返しです。このクセを的確に指摘し、姿勢改善のアドバイスをいたします!

肩こりの原因を、あなたにお伝えするために、肩こりでお悩みの人が多い実態を国民生活基礎調査から示します。肩こりを解消するために、近年、「筋膜」に着目して治療を進め、大きな成果をあげている「整形内科」の取り組みを紹介し、肩こりの改善には、「筋膜リリース」が有効な施術であることの裏付けを示します。そして、わたしは、あなたの肩こりを改善させるために「筋膜リリース」のさらなるレベル・アップを図るとともに、あなたにふさわしい姿勢矯正のアドバイスをさせていただきます。

国民生活基礎調査による肩こりの現状

厚生労働省による国民生活基礎調査(平成28年)によると、病気やけが等で自覚症状のある人は、人口千人あたり305.9人となっています。厚生労働省による国民生活基礎調査(平成28年)

なんと!人口の3割もの人が体のどこかに不調を感じているということです。

年齢があがるにつれて、この自覚症状のある人は上昇し、「80歳以上」では、520.2人まで増加します。

80歳以上では、半数の人が体の不調を感じているということです!

高齢化社会、人生100年の時代といわれるものの、80歳をこえると、その約半数の人が体のどこかに病気やけがの自覚症状を抱えているということをこの調査は示しています。

症状別にみてみますと、男性では「腰痛」について自覚症状のある人の割合が最も高く、第二位が「肩こり」です。

女性では、「肩こり」が最も高く、第二位が「腰痛」、第三位が「手足の関節が痛む」となっています。

女性のお悩みの第一位が「肩こり」という調査結果が出ています。

このように、男性・女性ともに「腰痛」・「肩こり」でお悩みの方がいかに多いかを物語っている調査といえます。

「腰痛」・「肩こり」の問題は深刻であり、快適な日常生活を過ごすうえで解決しなくてはならない課題となっている現状を、この調査から伺うことができます。

肩こりの症状

肩こりの具体的な症状からみていきましょう。

首すじ、首のつけ根から、肩または背中にかけて張った、凝った、痛いなどの感じがすると、「あ~肩が凝ったな~」と感じるはずです。数値で表すことはむつかしいのですが、個人的な「あ~凝ったな~」という感じがいわゆる肩こりです。肩こりは「病気」ではありません。首から肩、背中にかけての凝った感じが「肩こり」です。

この肩こりは、その大部分は筋肉のコリによる「筋性肩こり」の場合が多いのですが、高血圧症、眼疾患、からくる「肩こり」もあることから、肩こりは病気ではないと先に書きましたが、病気からくる肩こりも稀にあるということです。

このような内臓疾患からくる肩こりもあることから、その鑑別にも注意しながら、問診を進めていくことになります。

またこのような内臓疾患が原因と思われる患者さんがご来院した場合は、すみやかに「医療機関」を受診するよう勧めるよう留意しております。

わたしのできることは、「筋性肩こり」。筋肉のコリが原因で、首すじ、首のつけ根から、肩または背中にかけて張った、凝った、痛い感じを訴える患者さんの対応に限られることになります。

ここで注意してほしいのは、首から肩、背中にかけての「筋肉」の凝った感じ、ということです。肩こりは、「筋肉」、そして筋肉を包む「筋膜」が問題を引き起こしている症状なのです。

肩こりの原因

肩こりの原因は、ひとことで言ってしまえば、「姿勢」の問題です。

同じ「姿勢」を長時間続けていることが原因です。

体の筋肉や皮膚・腱といった軟部組織に着目し、「肩こり」・「腰痛」などの運動器疾患の改善に取り組み、大きい成果をあげている「整形内科」の医師は、「THE整形内科」の中で、

筋性肩こり症は日常の姿勢や動作に起因していることがほとんどであり、局所治療だけでなく生活動作指導が重要となる。

と、はっきりと述べておられます。わが意を得たり!という感じです。

そして、「肩こり」を訴える人は、まちがいなく「猫背」になっています。

「猫背」の姿勢はあらためていうまでもなく、頭・首がまえに出て、背中がうしろにまるくなり、骨盤がさがってしまっている姿勢のことです。

この姿勢は、机に座って、手を軽く前に伸ばすとできあがります。

この姿勢は、まさにパソコンに向かって仕事をしている姿勢そのものです。

ほかにも、この猫背の姿勢をつくる動作があります。

車のシートに深く座りハンドルに手を伸ばしてみます。やはり猫背のできあがりです。

しゃがみ込んで、草取りをしてみます。やはり猫背のできあがりです。

この姿勢を長時間つづけると、そのまま筋肉が固くなってしまい、もとにもどることができなくなります。背中から首にかけての筋肉が、背中がまるくなっていることから、常に引っ張られる、テンションがかかる状態になり、「肩こり」特有の症状、「痛み」、「重苦しい感じ」、「張った感じ」を引き起こしてしまいます。

このように、「肩こり」・猫背を解消するためには、日常動作を洗い直し、どの場面でどのような姿勢を長時間続けているかを確認し、自分で気づく必要があります。

日常生活のなかで、自分で肩こりの原因をつくっていることに気づくことが、肩こりを解決する第一歩です。

肩こりの予防法

肩こりの原因が、日常生活の中での同じ動作の繰り返しであることを理解いただけたとおもいます。

それでは、この肩こりの予防法、肩こりにならないためにはどうしたら良いのでしょうか?

「同じ姿勢・同じ動作を長時間続けない」

この一言に尽きます。

けれども、このことを日常生活の中で実行できるか?といったら、これがなかなかできないのが実情です。ですから、肩こりがなかなか解消されないわけです。

机に座って、手を軽く前に伸ばす動作、パソコンに向かいあって仕事をする動作や事務仕事は、一度始まってしまうと、あっという間に1時間も2時間もわき目もふらず仕事に没頭してしまうものです。

仕事の合間に肩を回したり、首をまわしたりすればいいことはわかっていても、なかなか実行できないものです。

車の長時間運転にしても、途中「道の駅」で休憩をはさんで、軽く歩いたり、腰を回したり、背伸びをしたりするだけで、肩こり予防の有効な体操にはなるのですが、どうしても目的地まで少しでも早く到着したいがために、休憩することなくノンストップで運転し続けることになります。

また草取りにしても、つい「もうちょっと、もうちょっと」と休むことなく、腰を伸ばす暇を惜しんで作業を続けてしまいます。

仕事・作業をとるか、自分の体をとるか、もう一度、ふりかえって考えてみる必要がありそうです。

「やっぱり、十分の体があっての仕事だよな~」と実感されたなら、仕事の合間にこまめに、体を動かしてあげてください。

「同じ姿勢・同じ作業を長時間続けない」。これが一番の肩こりの予防法です!

肩こりで凝ってしまった筋肉を「筋膜リリース」する必要性

このように肩こりの原因は、日常生活の中で同じ姿勢を長時間続けることだ、ということをご理解いただけたと思います。

同じ姿勢を長時間続けると、同じ筋肉ばかりが作動することになり、そのまま固くなりコリになってしまいます。筋肉が凝ってしまうと筋肉の中を張り巡らされている毛細血管が圧迫され血行不良となり、「しびれ感」がでるケースもあります。また、凝ってしまった筋肉は、放っておくと、ますます凝ってしまいます。ですから、凝った筋肉を「筋膜リリース」することで、血流を良くする必要があります。

筋肉が凝ってしまって、苦しくなったら?

これは仕方がありません。あまりに凝ってしまった筋肉は、自力での筋膜リリースは難しくなります。やはり、第三者、「筋膜リリース」のプロの手助けが必要になります。

一度しっかり体の筋肉を「コリ・ファシア」のない快適な状態まで戻してあげて、その後で、セルフ・メンテナンスをするという手順になります。

一度しっかりあなたの体の筋肉を「コリ・ファシア」のない快適な状態まで戻してあげて、その後で、体の快適な状態を維持するために、あなたにふさわしい軽い体操、自分でもできる「筋膜リリース」を日常生活の合間に行う必要がある、ということです。

あなたにふさわしい軽い体操、自分でもできる「筋膜リリース」を当院では施術の最中に、また施術のあとでも指導しております。

肩こりの原因となる筋肉

当院では、長時間同じ姿勢を続け過ぎて凝ってしまった筋肉、「コリ・ファシア」ができてしまった筋肉を手技による「筋膜リリース」でやわらかくなるまで、ほぐしていきます。

肩こりの原因となる筋肉、凝りやすい筋肉を三つ例にして、当院の「肩こり」を解消するための施術の基本的な考え方をご紹介します。

肩こりを解剖学的・運動学的に解説してみますと、肩こりは、首の骨(頸椎)・背骨(胸椎)の垂直に走る骨と肋骨・肩甲骨・頭蓋骨とのポジションの問題だということです。

頸椎と頭蓋骨との関係が原因の肩こり

まず一つ目は、首の骨(頸椎)と頭の骨(頭蓋骨)との関係が原因でおきる肩こりについて説明します。

この写真は、頸椎と頭蓋骨を結ぶ「頭板状筋(とうばんじょうきん)」です。

第3~第7頸椎の項靭帯+第1~第2胸椎の棘突起からはじまり、側頭骨の乳様突起と後頭骨の外側部までを結ぶ筋肉です。

簡単に言いますと、首の骨と後頭部の下のヘリを結びます。

この筋肉に「コリ・ファシア」ができると、後頭部から首筋にかけて「重苦しい感じ」を引き起こします。またここの部位は「目の疲れ」が原因で「コリ・ファシア」ができることが知られています。

ですから、この頭板状筋を「筋膜リリース」するとともに、目の周りの筋肉、また頭の骨の「骨膜リリース」で、肩こりが劇的に変化します。

また頭痛にも有効なポイントにもなっています。

頸椎と肩甲骨との関係が原因の肩こり

二つ目は、首の骨(頸椎)と肩甲骨との関係が原因でおきる肩こりについてです。

この写真は、頸椎と肩甲骨とを結ぶ「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」です。

第1~第4頸椎の横突起からはじまり、肩甲骨の内側縁を結ぶ筋肉です。

下を向きますと、この肩甲挙筋は常に引っ張られ、テンションがかかります。筋肉は引っ張られると、元に戻ろうとして作動します。ですから、下を向いて事務作業を続けると、常に筋肉にテンションがかかりなおかつ作動し続けます。その結果、この肩甲挙筋に「コリ・ファシア」ができてしまい、筋肉が滑らかに動くことができなくなります。

この肩甲挙筋を「筋膜・骨膜リリース」すると、首の動きが改善され、肩甲骨の内側の重苦しさ、痛みが解消されます。

頸椎と肋骨との関係が原因の肩こり

三つ目は、首の骨(頸椎)と肋骨との関係が原因でおきる肩こりについてです。

この写真は、頸椎と肋骨とを結ぶ「後斜角筋(こうしゃかくきん)」です。

第4~第7頸椎の横突起からはじまり、第2肋骨の外側面を結ぶ筋肉です。この筋肉は首を横に倒す働きをする筋肉ですから、この筋肉に「コリ・ファシア」ができてしまうと、首を左右に倒すことができなくなります。首の動きの検査をして、首の左右の動きが悪かったり、動かして首筋にハリや痛みが出た場合、この筋肉を「筋膜リリース」するのが効果的です。

さらに筋肉の連結を考慮して施術します

このように肩こりの原因となる代表的な三つの筋肉を紹介しました。この三つの筋肉さえ「筋膜リリース」すれば、肩こりは解消するのか?と問えば、そう簡単には問題は解決しないものです。なぜなら筋肉はひとつで、単独で作動するのではなく全身の筋肉と連結・連動しているからです。

一番目の「頭板状筋」は目の動きと連動していますから、後頭部の重だるさを訴えていても目の周りの「筋膜・骨膜リリース」で後頭部の重だるさが解消するケースは多いものです。

二番目の「肩甲挙筋」は肩甲骨の動きと関係しています。肩甲骨は腕、上腕~前腕~手のひら~指先とつながります。ですから、手のひらや指先の「コリ・ファシア」を「筋膜・骨膜リリース」するだけで、首の動きが改善されたりします。

三番目の「後斜角筋」は肋骨についていますから、肋骨のポジションの影響をうけます。前かがみの姿勢をとると、お腹の筋肉が作動して肋骨を下にさげます。これだけでも首のうごきは悪くなるものです。

このように肩こりの原因となる筋肉だけを施術しても肩こりの解消にはつながりません。全身体的な視野から肩こりをとらえ施術する必要があるわけです。

盛岡せんぼくバランス治療院は肩こりをこのように全身体的視点からとらえて整体しております。

筋膜性疼痛症候群について

(*この章は本体サイトのトップページの記事を再掲載させていただきました。)
腰痛や肩こりを訴えて、整形外科に行ってレントゲンを撮ってもらったり、CTやMRIを撮ってもらっても、何の問題もみつからないことがある、といわれています。

このような場合、整形外科では湿布と痛みどめの処方をするのが通例です。

けれども、近年、この痛みの原因が、

「筋膜性疼痛症候群(きんまくせいとうつうしょうこうぐん)」

(:Myofascial Pain Syndrome : MPS)


によるものだ、という研究成果が発表されています。

(「THE整形内科」編者・白石吉彦・白石裕子・皆川洋至・小林只/南山堂/2016年6月1日)

従来の西洋医学では、腰痛の原因の約80%が原因不明とされている。一方で筋膜性疼痛症候群が、プライマリ・ケア(*注)の現場でもペインセンターでも疼痛の原因の1位であるという報告もある。

(*)プライマリ・ケアとは、「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」のことです。(プライマリ・ケア連合学会参照)

このように疼痛、痛みの原因がいわゆる神経痛などではなく、筋膜性疼痛症候群によるものだという報告がなされていることを教えてくれています。その名前の通り筋膜にできた「コリ・ファシア」が原因で痛みを出しているケースが実は一番多いということです。

これまでの西洋医学の歴史では、筋などの軟部組織(*注)によるさまざまな症状を軽視してきた。そのため、X線・CT・MRIなどの画像診断で構造異常がみられない場合は、多くの臨床医は痛みの原因を”心のせい”としてきた。そして、大半の患者は「命にかかわる病気でないなら、、、」と諦めていた。

*軟部組織:アメリカ国立癌研究所の軟部組織の定義は、「皮膚、脂肪組織、筋膜、腱、靭帯などの骨組織を除く結合組織と、血管、筋線維、末梢神経組織の総称である」とされている。

X線・CT・MRIなどの画像診断で異常がみられない場合、腰痛・肩こりをはじめとする運動器疾患では、ここに記されているように、その疼痛・痛みを「心のせい」にしたり、「湿布と痛みどめ」の治療ですませてきました。けれどもその疼痛・痛みが筋膜をはじめとする軟部組織の「コリ・ファシア」にアプローチすることで軽減・解消する事実が明らかになってきました。

このようなアプローチを進めているのが整形外科医ではなく、運動器疾患を抱えた患者を診ざるを得ない総合診療医(プライマリ・ケア)であったり、運動器疾患を診療しなければならない立場に置かれた非整形外科医の医師たちが「整形内科」を標榜し、実際の医療の現場で大きな成果をあげている事実があります。疼痛・痛みの治療対象をこれまで軽視されてきた軟部組織である筋膜の「コリ・ファシア」に着目して治療を進めています。

盛岡せんぼくバランス治療院は、「整形内科」の筋膜の「コリ・ファシア」に着目して治療を進めている、この立場を支持し「はり師・きゅう師」の資格ながら、痛みを出している「コリ・ファシア」を手技による施術で解消して、あなたの疼痛・痛みを解決するよう努めております。

肩こりについての探究レポートの一覧

これまでまとめてきた「肩こり」についての探究レポートの一覧です。このレポートの中に、あなたがお悩みの肩こりの症状がきっとみつかるはずです。そのレポートを読み「わたしとおんなじだ」と思ったなら、当院までご連絡ください。あなたの肩こりの症状を改善できるにちがいありません。