野球肩

「野球肩だと思うんですが、治療お願いします」と連絡がありました。

問診票をみますと、なんと、もう7年も前から野球肩、肩が痛いということです。

聞けば、野球部の引退試合の時に、その時は、たまたま、軟式でやったため

ボールが軽くて、ビュンビュン投げたら、そこから野球肩、肩がいたくなりだしたということです。

整形外科の診断によると

それから、あちこち整形外科や整骨院に野球肩の治療にいかれたそうです。

日常生活では問題はないということですが、

ボールを投げると、野球肩の改善がみられず、やはり、肩に強い痛みが走るということです。

つい2~3週間前にまた、別の整形外科を受診したところ、

「骨には異常がないんで、肩が脱臼してるんじゃないの?脱臼だとしたら、うちの領域ではないので、大学病院で手術するしかない」といわれたそうです。

整形外科が脱臼に対応できないとは、なんとも驚きです。

視診ではこんなふうな野球肩です

問診をしながら、肩をみますと、こんなふうです。
野球肩(1)
明らかに右肩がさがり、前方に出ています。

これは、肩関節、上腕が内旋位にねじれていることを現しています。

「ボールを投げるとき、カーブとシュートではどちらが多いの?」とききます。

「いまは軟式野球をやってますので、ボールが軽いので、シュートになります」。

ピンポンです。シュート投げ。つまり、腕は内側にねじれて投げます。

その状態から、腕がスッポ抜けて「亜脱臼」したにちがいありません。

動診してみます

肩関節を屈曲・外転していきます。

やはり、挙上して戻してくる時に、肩の引っかかりが伝わってきます。

これは「肩関節の亜脱臼」の特徴のひとつです。

この動きがスムースになると、亜脱臼がはまったサインです。

また、屈曲していって、腕が耳までしか上がらない場合も、亜脱臼のサインです。

屈曲も上がりきりません。

オリジナルの亜脱臼操法です

野球肩であろうと、肩の痛みであろうと、肩の亜脱臼には、

オリジナルに研究した、亜脱臼の操法をつかいます。

かなりの高い確率で亜脱臼をはめこむことが可能だと自負しております。

この亜脱臼の操法をおこないますと、

肩の屈曲の動作も、腕を下げる動作でのひっかかりも解消されました。

肩の高さが明らかに変わりました。
野球肩(2)
逆に、左肩のほうが下がっているくらいです。

まとめ

動診でも、視診でも改善が明らかとなりましたので、治療はここまでとします。

野球肩が回復したかどうかは、実際にボールをなげてみないことには判断がつきません。

シャドウピッチングでは痛みがでないということでしたので。

後日、実際にボールを投げてみてから、野球肩が完治したかどうか判断してもらうことにしました。

まずは、良い治療ができたのではと思われます。

後日談です

「先日、肩でお世話になったTですけれども、

ボール投げてみたんですが、

肩、痛くありませんでした。

ありがとうございます」

そんなお電話を頂戴しました。

こういう電話はなんとも嬉しいことです。

うまく肩がはまったようです。なによりです。

ありがとうございました。