四十肩・五十肩と肩甲骨との関係についてのレポートです。
定期的に、慢性疲労からくる、体調不良で通っていただいている方です。
右肩の動きがスムーズではありません。
右肩の外転、横から上げていく動作で、肩に痛みが走ります。
両肩、肩甲骨を内転してみますと、
これがなんとも、動きがにぶくて、動いてくれません。
肩甲骨を背骨によせる動作なのですが、動きません。
なるほど、こういうことでしょう。
肩甲骨を外転する筋肉、
①小胸筋
②前鋸筋
このふたつの筋肉が拘縮しているために、肩甲骨を背骨によせる動作ができないにちがいありません。
また前鋸筋には、肩甲骨を上方回旋、上に向かって、回す動作もあります。
ですから、この前鋸筋が拘縮しますと、この肩甲骨を上に回す動作にも支障をきたすことになります。
筋肉が拘縮すると、次の二つのことがおこると私は考えています。
①筋肉が拘縮すると、その作動する動作が円滑におこなえなくなる。
筋肉が固くなるので、スムーズにうごかなくなります。
②筋肉が拘縮すると、その反対の動作をする筋肉の動作の邪魔をする。
上に挙げる動作の筋肉が拘縮すると、下に下げる動作の筋肉が作動した時、その動きを阻害します。
ですから、この方の腕を横から上げる動作がスムーズでないのは、
前鋸筋が拘縮したために、腕を上げる動作がスムーズに行えない、ということと、
前鋸筋が拘縮したために、肩甲骨が外転してしまい、
そのために、肩甲骨を背骨によせる動作ができなくなってしまった、ということです。
このような、想定のもとに、前鋸筋を整体していきます。
前鋸筋は、このガムテープのように、
第一肋骨から第九肋骨からはじまり、肩甲骨の内側縁の前方につきます。
この肩甲骨の内側縁の「前方」というのが、ポイントです。
肩甲骨の前面と肋骨とのあいだを通って、肩甲骨の内側縁につくわけです。
この肩甲骨の内側縁にも手を触れながら整体します。
また、あわせて、同じく肩甲骨を外転する筋肉である、「小胸筋」も整体します。
すると、予想通り、肩甲骨を内転する動き、背骨によせる動作がスムーズになるとともに、
腕の外転、よこから上げる動作も楽になりました。
そして、腕を外転する際に、腕を、背中の方からまわしても大丈夫になりました。
このように、肋骨を肩甲骨を結ぶ筋肉も四十肩・五十肩にはおおいに影響を及ぼしていることが理解できます。
また、これら、深い層の筋肉と浅い層の筋肉との癒着も念頭におきながら、整体していきます。