操体法シンボル図を指針として
これまで、三軸の動きと、その軌跡、そこから導き出された経絡、
さらに、その経絡を概説するかのような操体法シンボル図について記してきました。
今回はさらに、この操体法シンボル図の使い方、応用法についてです。
「軸の回転とトリガーポイント」
「軸の回転とその軌跡」
「軸回転の軌跡と回旋について」
操体法シンボル図を参照にしながら
操体法シンボル図を参照しながら、先日の今貴史先生の臨床をもう一度、振り返ってみましょう。
そのモデルの方は、首の右側屈に窮屈感が生じていたわけです。
この操体法シンボル図の右の〇が右側屈です。
この右側屈が窮屈であることの理由のひとつとして、その反対の動きの経絡上にコリがあって邪魔をしていることが考えられます。
ですから、反対の左の〇の経絡上に何かあるのではなかろうか、と推測します。
左の〇をたどっていきます。
それは、近い所では、
首の左側面でしょうし、
体幹の左側面でもあります。
ここから、少々、理解しずらくなるのですが、臍のところで経絡が反転しますので、
左の太ももの内側、さらに左下肢の内側、さらにくるぶしの内側という流れの経絡を想定できます。
この経絡の走行上に、可動域制限をかけるコリがあるのではなかろうか、と考えてみるわけです。
今貴史先生が選択したのは、左の太ももの内側であり、左足のかかとの内側でした。
ここのコリを整体することで、見事に首の可動域を改善してしまいました。
動き、動診を指針とする場合にはこのように、反対の動きの経絡を全身でみていくという方法も有効です。
圧痛点の解消への応用
動いてもらっての可動域制限ばかりではなく、触れて圧痛がある場合にも使えます。
圧痛がある部位の経絡を特定したなら、その圧痛を生じさせている経絡の走行上にコリがあるかどうかを探っていきます。
これは、もう「経絡治療」そのものになってきますがね。
その圧痛が消失するポイントをおなじ経絡上に全身から探していきます。
消失するポイントを探すためのひとつの指針として使えると思われます。
膝裏のコリにも応用してみる
操体法の診断のひとつの指針として、膝裏のコリを触れるというのがあります。
今昭宏先生のお話では、橋本敬三先生の臨床でも、膝裏のコリの触診は欠かさずに行っていたということです。
それを引き継いでいる、今昭宏先生もこの膝裏のコリの触診は欠かしません。
けれども、その意味がいまだに、私には理解できていないわけです。
そのコリが何を意味しているのか。
どうすれば、そのコリが消失するのか、などなどです。
そこで、この膝裏の部分にこの操体法のシンボル図を応用してみようと考えております。
すると、膝裏のコリの部位により、その経絡が特定でき、またさらに、そのコリを消失させるポイントを探り出す指針となる可能性があると思えるからです。
膝回りにこの操体法シンボル図をあてはめながら、触診、整体してみようと考えております。
さあ、いかなる結果が出るか、きょうからの臨床が楽しみです。