股関節が開かない。股関節を外に開くと、可動域制限と痛みが生じます。
二か月ぶりに、二度目のご来院です。
歩いたり、日常生活では支障がない程度には、股関節は回復しているものの、
まだ、股関節を外に開く動作が上手くいかない、開かないということです。
前回の整体は、直接、股関節にアプローチする整体と
臀筋群を狙った整体が中心だったことを思いうかべます。
まだ、何かが、足りないということです。
仰向けになってもらい、右の股関節を外に開いてもらうと(股関節の外旋と外転)、
半分くらいで、可動域制限が生じます。
反対の左の股関節はベッドに触れるくらいまで、股関節は開きます。
ふと、なんとなく、膝に手が伸びました。
ここです。
ただ、なんとなく、ここに触れてみたかったのです。
根拠はありません。
縫工筋です。
すると、なんと、可動域制限が少し、解除されました。
これは、狙うしかありません。
縫工筋の整体です。
縫工筋は、股関節を屈曲、外転、外旋する筋肉です。
あらためて、両膝を観察してみます。
あきらかに、右膝の膝蓋骨(お皿の骨)が外に開いています。
そういうことです。
なんらかの原因で、股関節および大腿骨が内旋位にねじれてしまい、可塑性(固くなること)が起きてしまったに違いありません。
股関節が内旋位で可塑性したために、股関節を外に開く動作ができなくなったということです。
聞いてみます。
「足を内側にねじる動作、クセはありませんか?」。
こういう動作です。
と、本人の股関節を動かして、やってみせます。
「あ、そういえば、横座りをよくします」。
右股関節を内側にねじっての、横座りです。
この動作は縫工筋の動きとは、真逆の動きですから、
縫工筋にはストレッチ、伸びる動作です。
伸びた状態のまま、コリ・ハリになってしまったのでしょう。
伸びてしまい、作動できなくなっていた縫工筋を整体することで、股関節は外に開き始めました。
さらに、下肢の外側の筋肉も整体します。
もちろん、縫工筋を整体したのと、同じ方向に整体しました。
すると、さらに、股関節の可動域は改善されました。
縫工筋と下肢の筋肉を整体することで、100%とはいいませんが、
9割方、改善され、痛みもなく股関節は開くようになりました。
あとは、どちらの整体のポジションも自分で整体できる部位ですから、
その指導をさせていただきました。
股関節だからといって股関節にばかり目をむけるのではなく、
膝から下肢までも視野に入れて整体しなくてはならないということを教えていただいた整体となりました。