「股関節が痛くなったんですけど」とお馴染みの患者さんです。
ベッドに座ってもらい、動診してもらいます。
片足づつ、足を上げてもらいます。
股関節の屈曲です。
すると、右の股関節が痛みを伴い満足にあがりません。
左足は、スイスイ上がります。
仰向けになってもらいます。
仰向けから、右股関節を屈曲しますと、やはり、90度ほどで、痛みが生じ、可動域制限が出ます。
膝を立ててもらい、右股関節を外に開いて(外転・外旋)みます。
やはり、45度ほどで、股関節に痛みが出ます。
両足をそろえて、伸ばしてみます。
あら、まあ、こんな風です。
右足が明らかに、X脚になっています。
X脚、つまり、大腿・太ももが内転、内側にはいっています。
足がX脚に変位してしまったために、股関節を外に倒す、開こうとしても、痛みが出るに違いありません。
まずは、はじめに、股関節の屈曲、あしを曲げる動作での可動域制限から整体します。
この動診で可動域制限が出現する場合、まず、整体するべきポイントは「足」です。
これは、仙台操体医学院の今昭宏先生の臨床で学ばせていただいたことです。
四十肩・五十肩を足から整体する
さっそく、足から整体します。
右足の第5指の中足骨とも、
小指外転筋ともいえます。
ここを整体しますと、やはり、予想通り、股関節の屈曲は改善されました。
「足が軽くなった」と喜んでもらえます。
けれども、まだ、股関節を開く動作では、痛み、可動域制限が残ります。
第5指の中足骨・小指外転筋の整体は、屈曲にはかかわっても、股関節の外転・外旋にはかかわらないようです。
股関節が内転・X脚に変位した理由を考えてみます。
足首が外反すると、股関節は内転します。
と、いうことは、足首を外反する筋肉が拘縮・凝ってしまい、このような股関節の内転変位をひきおこしたものと考えられます。
それでは、腓骨筋を整体します。
これまた、予想どおりです。
股関節を開く動作が改善されました。
右足のX脚もここまで、改善しました。
このように、股関節に痛み、可動域制限が出現している場合にも、「足」が影響しているということです。
やはり、足からの整体は大変重要なポイントだということです。