足指になにかありそうだな
バレエ歴30年という女性です。
ここ一年ほど、腰が痛いということです。
前かがみにしたり、後ろに反らしたりすると、腰に痛みが出る感じといいます。
「仕事が終わってから、週に2~3回バレエのレッスンに通うのですが、
仕事が終わってからかけつけるので、行くともうレッスンがはじまっていて、
バレエの前にストレッチとか十分しないで、バレエをするせいかもしれません」といいます。
治療院にはいってきたとき、履いているサンダルを脱いだ瞬間、「外反母趾」が目にとまりました。
そして、バレエ歴30年です。
これは、足指になにかありそうだな!と、ひらめきました。
動いてもらいます
動いてもらいます。動診です。
体を前かがみにすると、バレエをやっているので、もちろん、手は床に楽々つきます。
けれども、上部腰椎に「痛い感じ」がでます。
後ろに反らしてもらいますと、これは明らかに窮屈そうです。
左右の股関節に違和感がでます。
仰向けになってもらいます。
左右に膝を倒します。
左に倒すと、右の股関節に軽い違和感がでます。
右足を曲げていきます。
明らかに、腰に「突っ張り感」が出現します。
「この足を曲げて腰が突っ張る感じをやってきますね~」と私。
この足を曲げていって、苦しい感じが解消されれば、立ってもらっての、前かがみも後ろ反らしも解消されるに違いない、という目論見です。
もちろん足からです
「外反母趾ですよね~」と私。「そんなにひどくはないですけど」
「小さいころからバレエをやっていたので、そのころは、トウシューズの先にいれるクッションがあまり良いものがなかったんで、そのせいだと思います」
「それと、つま先立ちの姿勢とかありますからね~。それも影響してると思いますよ」と私。
と、いうことで、足「指」にアプローチします。
足指の骨がイボ状になるほど、鍛えられています。
丸く「すぼまって」いるようにも見えます。
足「指」をバランス操体法です。
小指から親指まで整体していきます。
続いて、親指の「中足骨」のラインをバランス操体法です。
特に狙うのは、舟状骨と内側楔状骨のコリです。
これで、足をお腹の方へ曲げていきます。
突っ張り感の手ごたえが伝わってきません。
「あれ、大丈夫、もう痛くないんじゃないですか」と私。
「はい。何が起こったのかわかりません」とあまりに一瞬のできごとにあっけにとられています。
立ってもらいます。
前屈です。腰の痛みはありません。
後ろに反ってもらいます。可動域が明らかに拡がっています。もちろん、痛みもありません。
驚きの整体となりました。
反省点です
驚きの成果をだしたわけですが、
動診の上での反省点です。
二つの整体、
ひとつは、足指。
もうひとつは、中足骨のラインをやりました。
ふたつのバランス操体法で結果をだしたわけですが、
どちらの操法が特に決定的だったのかが、明確にできなくなってしまいました。
反省です。ひとつやるごとに動診をしなくてはいけません。
けれども、整体は大成功です。
この二つの整体を刺さない鍼「てい鍼」を使ってもうワンクルー行い、
「ふくらはぎ」を触診して、終わりにします。
思いもつかないところを、、、
ご紹介で来院していただいたのですが、
その紹介してくれた方に
「思いもつかないところをもんでくるからね」といわれていたそうです。
これまた、期待通り、思いもつかないところからのアプローチで大成功です。
「あさってのレッスンが楽しみです」といってもらえます。
「グールドがお好きなんですか?」
「今朝、グールドのゴールドベルグ変奏曲を聴いてきたんですよ」
と、うちの治療院に飾っているグレン・グールドのレコードを指さします。
これまた、驚きです。
そう!私の好きなグールドさんのご縁で上手くいくことに決まっていたんです。