膝の内側の痛みについてのレポートです。
これまで、変形性膝関節症で膝が痛いご婦人の症例をレポートしてきました。
このご婦人は、膝全体の痛みを訴え、その痛い部位を特定することはできません。
今回の膝が痛い症例は、明らかに「膝の内側」が痛い、膝痛です。
いわゆる「鵞足炎」と言えます。
この写真は、左の膝の内側です。
半腱様筋・半膜様筋の走行にガムテープを貼りました。
この内側が痛いと言います。
触診しても、ここに触れると、痛みを訴えます。
けれども、一番の痛みは、歩くとこの膝の内側が痛い、足を床につくだけで、膝の内側に痛みが走るというものです。
お話を伺いますと、お孫さんが生まれて、その世話を手伝いはじめたら、この膝の痛みに見舞われたということです。
お孫さんが重くて、おんぶにだっこ。
保育園の送り迎えで、階段の上り下りがあるということです。
このことが、膝に負荷がかかったにちがいありません。
まずは、足指からふくらはぎにかけて触診と整体をしていきます。
明確なコリ・拘縮は感じられません。
どうやら、膝関節が歪み、ねじれたことからくる膝痛のようです。
施術室を歩いてもらっても、足をつくと膝に痛みが出ます。
この痛みが出なくなるかどうかを今回の整体の目標にし、そのことを伝えます。
やはり、この方もみるからにO脚です。
O脚で膝が痛いというのであれば、前回のご婦人の臨床が参考になります。
膝の歪み・ねじれを確認していきます。
前回のご婦人の場合は、下肢が、前方ー内旋ー内転に歪んでいました。変形性膝関節症と膝関節の整体(3)
同じ方向を試してみますと、「痛い!」と言います。
膝の内側に痛みが走ります。
痛みがでない方向を探っていきますと、
下肢を「内旋」することで、痛みが出なくなることがわかりました。
下肢を外旋すると、半腱様筋・半膜様筋が引っ張られ、テンションがかかります。
そのために、膝の内側に痛みが走るのだと考えられます。
膝関節のねじれた方向、また矯正する方向がわかりましたので、
膝関節を矯正する整体をします。
高橋廸男の整体術を使います。
すると、予想通り、歩いても、床に足をついても膝の内側に痛みが出なくなりました。
まだ、「膝に違和感がある」とはいいますが、
歩いてのズキン!という痛みはなくなりました。
「膝がなんらかの理由でねじれて、歪んだせいですね」といいますと、
「そういえば、心当たりがある」と言います。
同じO脚のように見えても、その歪み方はひとりひとり、確認していかなくてはならないということ、
膝の内側の痛みの場合には、半腱様筋・半膜様筋のテンションが鍵をにぎっていることを改めて教えて頂きました。