仙台操体医学院でコンタンにたずねます。
「明日さ、一関市という盛岡から100キロも離れているところから患者さんにいらしてもらうんだけどさ、なんか、膝が痛いらしいんだ。
電話の話だと、左の膝のお皿の内側のちょっと下あたりが痛いんだそうだ。
整骨院にここ一か月も通って、電気とマッサージ治療を受けているんだけど改善されないらしいんだ。
自分で触ってみると、膝のお皿の内側のちょっと下あたりというのは、脛骨の内側顆あたりだと思うんだけれども、特に筋肉が付着している部位でもないんだよな。
なにかいい操法はないもんかね~」
「こんなのどうですか!」と、さすがにコンタン、すぐにヒラメキました。
「右か左かどちらか座りやすい方に横座りしてもらって、そこから、体幹をジワ~ッと前に前屈してもらい、伸ばしていきます。
さらに、曲げている足をジワッ~との伸ばしてもらってもカエル足操法みたいになって面白いんじゃないですか」とコンタン。
「なぁ~るほど」です。
横座りしてもらうのが、ひとつのミソです。横座りしてもらうことで、膝に「快」方向のねじりがはいります。そこから、体幹をのばしたり、足を伸ばしたりすることで、「圧」も加わっていきそうです。
これはいただきです。上手くいきそうです。
一関市からいらしたSさん(40代女性)。
「立ち上がったり、足を伸ばした時に、膝が重苦しい感じがある」といいます。
重苦しい部位を触診して確認しますと、電話で聞いてイメージした部位とはちがい、いわゆる鵞足の部位、脛骨粗面の内側部です。
「ああ、鵞足炎か」、と内心ホッとします。
軽く膝の骨の操法を展開してみますが、私の精度が甘いせいか、イマイチです。
「やっぱりやってみるしかないな」と横座り操法をやってみることにしました。
ベッドの上で正座してもらいます。
「痛い!」とSさん。
正座をしようと、膝を曲げていきますと、左の膝の鵞足部に痛みがでて、正座ができません。
「ああ、OKですよ。では、正座ができるようになれば、膝の重苦しい感じは良くなるということです」。治療の基準の変更です。
正座ができない場合、瞬間芸で決めてしまいたい私は、
コ~ン先生が、DVD「操体セミナーin 仙台」で紹介している技を使います。
立て膝の姿勢から、お尻を下げてきてもらい、正座してもらいます。
その時、操者は患者の患側の膝の内側、半腱様筋・半膜様筋の腱に触れ、内側にズラシながら座ってきてもらいます。正座できたら成功です。
「痛い」。あらあら上手くいきません。
このバリエイションで外側の大腿二頭筋の腱を外にズラシながら座ってきてもらって上手くいくケースもあります。やってみます。
「痛い」。やっぱり、上手くいきません。
そういうことも、やはりあります。
それでは、やはり、コンタンに伝授してもらった、横座り操法を試してみます。
正座の姿勢から横座りをしてもらいます。
両膝を右に曲げた姿勢ですと、痛みがでます。
ですから、左に両膝を曲げてもらった姿勢から、体幹をジワ~ッと前に伸ばしていってもらいます。さらに、左足を伸ばしたい感じでしたので、曲げていた左膝を軽く踏み込んで伸ばしてきてもらい、軽い抵抗をかけてみます。
テストです。正座してもらいます。
「あ!」とSさん。大成功です。
「こういう動作をやると、膝の痛みは解消されるみたいですよ。いまみたいに、横座りからカラダをまえに伸ばしてやればいいだけですよ。やってみて下さいね。また、膝に痛みが出た場合、こうやってあげると、自分で治せると思いますよ」。
まずは、メデタシ、メデタシです。
コンタン、ありがとうございます。