変形性膝関節症でしゃがむと膝の内側が痛い

しゃがむと膝が痛い

しゃがむと膝に痛みが出るようになると、まずはじめは、もちろん整形外科を受診します。

すると、決まったように診断名は「変形性膝関節症」ということになります。

「膝の軟骨がすり減ってますね」といわれるようです。

ここで変だなと思うわけです。

軟骨には神経、痛覚、痛みを感知するセンサーなんて存在しないということです。

軟骨に痛みを感知するセンサーが存在していたら、それこそ大変です。

膝を動かすたびに痛みを感知するセンサーが作動して、それこそ痛くて大変、歩けないはずです。

ですから、軟骨には痛みを感知するセンサーなんてありません。

軟骨がすり減っても痛いはずはありません。

ただし、軟骨が完全にすりへってしまい、膝関節を構成する骨の骨膜と骨膜とがぶつかりはじめたら、どうなるのか?

そこまでいくとどうなるのかは、私にはわかりません。

確かに、そうなると、骨膜には痛みを感知するセンサーが分布していますから、痛みが生じるのだと思われます。

でも、完全に軟骨がすり減ってなくなるほどの方というのは、そんなに多くはいないのではなかろうかと思います。

では、しゃがむと膝が痛む原因は何でしょう?

そのことを考えてみたいと思います。

筋肉が固くなると筋肉は縮む

膝の内側に痛みを訴えて、「変形性膝関節症」と診断された方は、まず間違いなく、膝の下、下肢が内転変位してO脚になっています。

骨模型の下肢を内転位にして、大腿骨と脛骨の関節部、裂隙(れつげき)にペンをおきました。

確かに、下肢を内転位にすると、大腿骨と脛骨の関節の内側がぶつかるようになります。

「だから膝が痛いんだ」ということになります。

けれども、なぜ、このように下肢が内転位に変位するのかを考えなくてはなりません。

そのことが膝関節の痛みの原因だと思います。

腓腹筋の内側頭にテープを貼りました。

腓腹筋の内側頭は、大腿骨の内側上顆にはじまり、アキレス腱を構成し、踵、踵骨(しょうこつ)の踵骨隆起に終わります。

この腓腹筋の内側頭にコリができるとどうなるでしょうか?

コリができて筋肉が固くなると筋肉が拘縮、縮むと考えます。

すると、内側が縮むのですから、下肢は内転位に変位するのではなかろうか?と考えます。

ですから、この腓腹筋の内側頭のコリを整体することが、膝の痛み、

しゃがむと膝が痛む方には有効な整体になるのではなかろうか?と考えて、整体しております。

腓腹筋の内側頭を触診する

腓腹筋の内側頭を触診していきます。

すると、膝痛を訴える方の大部分の方はここにコリを認めることができます。

腓腹筋の内側頭とその下を走行するヒラメ筋との境目です。

この腓腹筋の内側頭の筋筋膜がゴリゴリと腱のようになっています。

このコリを整体すると、しゃがんでも膝に痛みが出なくなるものです。

それでも、まだ痛みがでるようなら、太ももの後面の内側に位置する「半膜様筋」を触診していくと、そこにコリを認めるものです。

腓腹筋の内側頭と半膜様筋とは筋肉の連結はしていませんが、

その作用がいずれも膝関節の屈曲であることから、同時にはたらき同じようにコリが生じるものと考えられます。

また、半膜様筋には、下肢を内旋する作用もあるため、コリ・拘縮が生じると下肢が内旋していきます。

すると、腓腹筋の内側頭の拘縮により下肢は内転位に変位し、

さらに半膜様筋の拘縮により、下肢は内旋位に変位するという、まさにO脚のできあがりです。

この下肢のねじれが膝関節を動かす時、しゃがむ時に痛みを出すのではなかろうかと考えております。