ぎっくり腰と腰痛のちがい
「ぎっくり腰」をやってしまって~、とはよく聞く患者さんの声です。
けれども、このぎっくり腰、よく考えてみますと、その定義が大変曖昧なものだということがわかります。
ぎっくり腰と腰痛はどこがちがうのでしょうか?
異論は多々あるでしょうが、実は、ぎっくり腰と腰痛のちがいは、実は「ない!」と私は考えております。
ある日突然、急に、動くと激しい痛みにさいなまれてしまうが、ぎっくり腰で、いつもなんだか、腰に違和感があってスッキリしないのが腰痛、そんなところでしょう。
急にあまりの痛みで動けなくなるものですから、欧米では「魔女の一撃」ともいわれているそうです。
要するに、急に痛みが出た腰痛が、「急性腰痛」、ぎっくり腰に分類され、
いつもなんだか腰が重だる腰痛が「慢性腰痛」と分類できます。
痛みの出現の仕方のちがい、とうことだと、私は考えております。
そして、ぎっくり腰も慢性腰痛もその症状への対応の仕方は、「同じだ」、ということです。
ぎっくり腰の分類
このように、ぎっくり腰も慢性腰痛もその対応のしかた、整体の仕方は同じなわけですが、
ぎっくり腰の分類もやはり、通常の腰痛の分類の仕方と同じで、十分対応できます。
腰痛の分類の仕方については、
という二本のレポートでまとめてみました。
こちらを参照してください。
ぎっくり腰も同じように、前かがみができないぎっくり腰と後ろに反らせないぎっくり腰とに分類できます。
そしてまた、複合型の、前にも後ろにも反らせないぎっくり腰もあります。
前かがみで痛みが出現する「ぎっくり腰」の場合には、「臀部ー太ももーふくらはぎー足」のトリガーポイントを想定するべきですし、
後ろ反らしで痛みが出る「ぎっくり腰」の場合には、「腹部ー胸部ー腕ー前腕ー手」のトリガーポイントを想定するのが定石だと、私は考え、整体します。
そして、前にも後ろにも動けない「ぎっくり腰」というのは、これは、もう、上肢も下肢もトリガーポイントだらけ、ということになります。
最近増えているぎっくり腰のパターン
このように「ぎっくり腰」を分類して整体するわけですが、
最近多い、「ぎっくり腰」のパターンは、体を後ろに反らせない「ぎっくり腰」です。
この方々は、みなさん、机に向かいパソコンで仕事をする時間が長いことが原因です。
先日の「ぎっくり腰」の患者さんに、そんなことをお話しますと、
「最近、提出する書類づくりに追われて、パソコンに向き合っていた」といいます。
長時間パソコンに向き合っていて、そのまま、立ち上がると、骨盤も腰椎も急に逆の動き、動作を強いられるわけですから、腰に「ギクリ」と痛みが走ることになります。
これで、「ぎっくり腰」のできあがりです。
この方にも、前腕から整体していきますと、動くことができるようになり、大変不思議がられたものです。