四十肩・五十肩と肩関節を横から上げていく動き(外転)との関係についてのレポートです。
肩甲帯、肩関節を横から上げていく動作(外転)には、3つの段階があることが、解剖学、運動学の本に記されています。
第一相は、外転0度~90度までです。
①棘上筋
②三角筋
この二つの筋肉が作動します。
外転の初動、ピクッと動かす動作です。
第二相が外転90度~150度までです。
①僧帽筋
②前鋸筋
そして、第三相が脊柱起立筋です。
このレポートでとりあげるのは、このうち、第一相と第二相についてです。
この動きを阻害する要因として、肩甲骨の動きが関与しているということです。
肩甲帯を外転する場合には、ただ単に、肩関節だけが外転しているわけではなく、
それにともない、肩甲骨も一緒に外転していきます。
この肩甲骨を外転していく筋肉が第二相の筋肉が
①僧帽筋
②前鋸筋
なわけです。
それでは、この外転を阻害する筋肉、逆の動きをする筋肉もあるはずです。
①菱形筋
②小胸筋
③肩甲挙筋
この三つの筋肉です。
左の肩の外転に痛みが生じ、また、首を右に倒すと、首の可動域が十分ではありません。
この方の肩甲挙筋を整体してみます。
すると、やはり、教科書どおり、肩関節の外転は改善されます。
この外転を阻害する筋肉、逆の動きをする筋肉の動きを解剖学的には、
肩甲骨の「下方回旋」といいます。
この肩甲挙筋とともに、
小胸筋とあることも、鍵を握っていると思われます。
肩が上がらないからと言って、肩関節ばかりを狙うのではなく、
こういった、下方回旋する筋肉
①菱形筋
②小胸筋
③肩甲挙筋
この三つの筋肉を念頭に置きながら、四十肩・五十肩を整体していきます。