脊柱管狭窄症と腰椎すべり症という診断です

いわゆる坐骨神経痛ということでご来院いただきました。

左のお尻が痛くて、座っていることができません。

また、左の足にしびれ感があるといいます。

一か月ほどまえから、このような坐骨神経痛に見舞われ、近くの整形外科を受診したところ、

レントゲン検査の結果、

「脊柱管狭窄症と腰椎すべり症」という診断を受けたそうです。

なんとも、残酷な診断をするものです。

整形外科では改善が見られなかったことから、盛岡で人気の整骨院に通い、「鍼」を打ってもらったそうですが改善せず当院にご来院いただきました。

これは、頑張らなくてはなりません。

参考までに「どこに鍼を打たれたんですか」と尋ねますと、

「お尻、臀部」ということで、指さして教えてもらいます。

小腸兪・膀胱兪のあたりのようです。

なるほどです、参考になります。

坐骨神経痛の原因はひとつではない

これまで、いわゆる坐骨神経痛の臨床にたずさわってきてわかったことは、ひとつの原因でその痛みがでているわけではない、ということです。

ひとそれぞれ、その痛みをだしている原因は違うということです。

整形外科的・はり・きゅう学校で習った通り、椎間板ヘルニアが原因で坐骨神経痛になることは少ないということです。

この方のように脊柱管狭窄症や腰椎すべり症が原因で坐骨神経痛になることも少ないはずです。

問診して、椅子に座っていても、左の臀部が痛いため、ひだりのお尻を浮かせて座っています。

座っているだけで痛みがでるようですから、問診もそこそこに整体に入ります。

仰向けになってもらうと、「この姿勢が一番楽で、痛みもでないんです」といいます。

また、動診、動いてもらっても、左右の膝倒しも股関節の屈曲も異常がみられません。

ちょっと変わったタイプのいわゆる坐骨神経痛鵜です。

坐骨神経痛といったら、まずは、なんといっても下肢・ふくらはぎからです。

けれども、その触診ではコリを触れることができません。

されば、とて、太ももを触れていくと、ありました。

太ももの後面の大殿筋の付着部がパンパンにはっています。

そこを整体しますと、やはり、痛みが楽になります。

座位で座ってもらっても、大丈夫、痛みが出なくなりました。

一回目の整体はここまでです。

「もしまた、痛みがぶりかえすようなら、またいらしてくださいね」ということにしました。

二回目の整体です

「ずいぶん楽になったのですが、まだちょっと痛いんで」ということで、一週間後にもう一度来ていただきました。

もう大丈夫、座っていることもできます。

痛みがずいぶんと楽になっていますので、前回より、さらに吟味して触診していきます。

やはり、前回は触れることができなかったのですが、ふくらはぎにコリガあることがわかりました。

うつ伏せになってもらいます。

この姿勢での整体も前回は行っていません。

うつ伏せになってもらうと、思わず、「あ、わかった」と声に出しておりました。

股関節が内旋位になっている

そう、股関節が内旋位に変位しているわけです。

仰向けでは気づかなかったのですが、うつ伏せになっていただくと、明らかに股関節、太ももが内にねじれているわけです。

左右とも内旋位になっていますから、生まれつき内旋位、内股にちがいありません。

このことが、仕事で立ち仕事が続いたせいで、さらに内旋位が進んだに違いありません。

股関節の「過・内旋」です。

股関節が過・内旋することで、大殿筋がひっぱられ、テンションが生じて痛みがでたに違いありません。

触診でも、ふくらはぎの内側、ふとももの内側にコリが認められ、整体しました。

これで、すべてが話のつじつまがあいます。

生まれつきの股関節の内旋位のため、負荷がどうしても下肢の内側にかかることになります。

そのことから、ふくらはぎやふとももの内側にコリができたのでしょう。

それにより、股関節がさらに内旋位、過・内旋位に変位して、大殿筋、お尻に痛みを発生させたにちがいありません。

いわゆる坐骨神経痛の原因がわかれば、大丈夫。

それなりの対応策が浮上してきます。

このように、いわゆる坐骨神経痛といっても、さまざまな原因があるものです。