お尻と股関節が痛い坐骨神経痛

坐骨神経痛というと、お尻から太もも、さらにはふくらはぎまでの痛みが生じると、そのような診断が下されるようです。

一言で坐骨神経痛といって片づけてしまいますが、やはり、その痛みの出現の仕方というのは、千差万別、ひとりひとりちがうということです。

今回、いわゆる坐骨神経痛ということでご来院いただいた方は、左の股関節、左股関節の骨頭からお尻のあたりに痛みが出るといいます。

また、左のふくらはぎの外側、腓骨頭の下方には、常に痛みが出ているといいます。

盛岡の老舗の整体院に毎週のように通ったけれども、一向に良くならず、すでにほぼ半年が経過しているといいます。

坐骨神経痛の動診

初診の方には、上肢・下肢ともに、訴える症状はどこであれ、全身の動診の検査を行います。

坐骨神経痛といっても、素直に下肢が原因で坐骨神経痛の症状を発症する場合もあれば、上肢が原因で坐骨神経痛の症状を出す場合もあるからです。

立位での動診です。

体幹を前屈・後屈してもらいます。

この動きは、まずまずで、あまり痛みは出現・増強はしません。

体幹を右にねじってもらいます。

これは大丈夫です。

体幹を左にねじってもらいます。

すると、訴えている症状、左のお尻に痛みが出現します。

この動診が語っていることを「私」は、つぎのように考えます。

立位での体幹をねじる動作というのは、これはまず、「股関節」の動診であるということです。

両手を体幹の前で合わせてもらい、体幹をねじってもらうわけですが、

実は体幹、脊柱はほとんどねじれているのではなく、ねじれ、回旋しているのは、「股関節」なわけです。

ですから、この体幹のねじる動作で、痛みが出現した場合は、股関節に異常ありと判断できるわけです。

この方は左足・左のお尻に痛みを訴えているわけですから、左足を基準に考えてみます。

体幹を右にねじるということは、左下肢の外側面にテンション・張力が発生すると考えます。

体幹を左にねじるということは、左下肢の内側面にテンション・張力が発生すると考えます。

この方は、体幹を左にねじると痛みが出現しましたから、どうやら、左下肢の内側面に問題がありそうです。

確認のために、うつ伏せになってもらいますと、なんとなく、左の大腿・太ももが内側にねじれているように見えます。

何かの筋肉がコリとなって下肢全体を内側に・内旋位に力をかけているようです。

もう一度、仰向けになってもらい、左股関節の動診、

内転・内旋ー外転・外旋

また、屈曲をしてみますが、

それほど、痛みや可動域制限は生じません。

下肢の内側を整体します

ふくらはぎから整体します。

ふくらはぎ、内側の腓腹筋に軽いコリを触れます。

また、大腿骨の内側面、経穴・経絡でいうと「血海」にコリを感じます。

この大腿骨の内側面は、コリというよりは、大腿骨に筋肉が張り付いて固くなっている感じです。

ここを整体・剥がします。

さらに腸腰筋・大腰筋を意識しながら、太ももの内側をかるく触れ、お腹を整体・按腹します。

すると、お腹も固くなっています。

けれども、お腹は、触れた瞬間に、ふっと柔らかくなるのを感じることができました。

この3点。

内側の腓腹筋。

「血海」。

お腹の按腹。

これで、立位で体幹を外側にねじってもらいますと、大丈夫、お尻の坐骨神経痛の痛みは出ません。

さらに、常に出現していた、腓骨頭の下の痛みも「痛くない」といってもらえます。

お仕事、介護のお仕事なのですが、

「お仕事の際に、足の親指に力が入るような動作、内側にねじる動作が続いたんじゃないですか?

そのせいで、下肢の内側にコリができて、坐骨神経痛の痛みをだしたのだと思いますよ」と伝えます。

「ああ、それなら心当たりがあります。

親指に力を入れて仕事をしています」といいます。

この方の坐骨神経痛、上手くいきました。

あとは、この3つのポイントを自分で整体することで、体調を維持できると思われます。