今昭宏先生の「楽しくわかる操体法」から「かえる足」操法を紹介します。
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片方ずつゆっくりと膝を引き上げてもらいます。
つらいときはもちろん行いません。
どちらか気持ちのいいほうがあったら、その動きに抵抗をかけて十分味わってもらい、気持ちよく力を抜いてもらい、脱力後の余韻(心地よさ)も味わってもらいます。
操者は、
「膝をわきの下にゆっくりと引き上げてみてください」
「少しでもつらいときは上げないでください」
「上げやすい方を気持ちよく引き上げてください」
「いい感じはありますか?」
「背中も首も、反対の足も、気持ちのいいように動かしてイイですよ」
などと声をかけながら、両足に抵抗をかけます。
力をいれすぎないように、おたがいの力加減を相談して一緒にイイ感じになればOKです。
応用
引き上げる動きでイイ感じがないときは、その足を下げてもらうと、いい感じがある場合が多いです。
そのときは下がってくる足に抵抗をかけて、イイ感じを味わってもらい、脱力してもらいます。
そのまま、カエル足で余韻を味わってもらいます。
左右なんなく上がればおしまいです。
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この「かえる足」操法。
橋本敬三先生がはじめられたのでしょうが、やはりうまくできた操法だと思うんです。
「かえる足」で膝を引き上げてもらう動作というのは、股関節の屈曲です。
腸腰筋が作動します。またそれにともない、内転筋群も作動します。
逆に、足を伸ばす動作というのは、大腿の伸展動作です。
臀筋群が作動します。
つまり、この「かえる足」操法、骨盤の前面と後面の筋肉を狙った操法といえます。
また、使い方次第では、股関節の調整にも使えます。
この動きを座位で表現したのが、加藤廣直先生のi-position操法といえます。
ただ、やっても、効きません。
どこの筋肉がどのように作動しているのかを観察しながら操法をすると、やはり効き方がちがうと思われます。