「手もしびれているし、足もしびれているんです」といいます。
以前に、膝が痛くて、曲がらなくなって、歩くこともままならずにご来院いただきました。
「膝もまた痛いんですが、手と足もしびれてきて」。
これは、なかなか大変そうです。
この方、岩手県で、人気沸騰中のヨーグルト工場で働いていて、生産がまにあわないくらい、目一杯働いています。
原料となる牛乳のタンクを運んだり、力仕事や、グーしたり握る作業もかなりあります。
「手が握れなくて、はしも持てなくなるんです」といいます。
右指を動かしてみますと、こんな具合です。
二の指が、手のひらにつきません。
このように指が曲がらない症状はずいぶん見てきました。
骨まで変形していなけれb、だいたい、指の骨の両わきのコリでケリがつきます。
解剖学の本をとりだして、この筋肉は何というのだろう、と調べてみますが、ここには、筋肉がきていないんですね。
虫様筋でも背側骨間筋でもないんですね。まちがっていたら、ゴメンなさい。
でも、ココなんです。
すると、やはり、これまでの臨床どおり、指が手のひらにつくようになります。
「指先の感覚はどうですか~?」と尋ねますと、
「しびれ感がない」といってくれます。
そういうことです。
私の持っている解剖学の本をみますと、指の骨の両わきに固有掌側指動脈という動脈が走っています。
この動脈が指のコリに圧迫されて、血流が悪くなり、指先にしびれ感が出現したのではなかろうか?と私は考えます。
ここを「てい鍼」でもみほぐすことで指先のしびれ感は消えました。
しびれ感というのは、結構やっかいで、私は二つの見解をもっています。
ひとつは、このような血行不良からくるしびれ感。
もうひとつは、神経が「ひっぱられる・牽引される」ことからくるしびれ感。
まだまだ、経験と臨床から検証していくしかありません。
指先のしびれ感は、うまく消失しました。
それでは、足の指のしびれ感と感覚のなさです。
母指は大丈夫なのですが、残りの4つの指に違和感があります。
触診。まずは、触れてみます。触れなければわかりません。
写真のココにコリがあったんですね~!
ここを、おなじみ「てい鍼」でもみほぐしますと、やはり、足のしびれ感が消失しました。
「まだ、二の指にしびれ感、感覚のない感じはあります」といいます。
けれども、外側3指は、この、かかとへの刺激で消失しました。
それでは、直接、二の指にアプローチします。
あら、まあ。
足指のしびれ感が消えていました。
手の指先のしびれ感が指の骨の横・わきのコリにアプローチすることで、消失したのであれば、
足の指のしびれ感も指の横・わきのコリにアプローチすれば、いけるだろう、という発想です。
上手くいきました。
ますます、いえいえ、あらためて、
手の指、足の指の大切さを思い知らされました。