「肩が三か月前から上がらないんですけど」
「肩をあげようとすると、肩の前が痛いんです」といいます。
問診をしながら、座る姿勢をみますと、
明らかに右肩が下がっています。
「右肩がずいぶん下がってますね~。
これは、きっと、肩が亜脱臼、軽く外れた状態になってるんじゃないですか」と私。
「私もそう思うんです。三か月前に買い物のバックを肩からさげていたら、ゴキッと音がしたんです。
それから、肩を上げようとすると、肩が痛いんです」
ありがたいことに、私が書いた四十肩と亜脱臼の記事を読んでくれています。
それを読んで、「私も肩の亜脱臼にちがいない」ということで、ご来院いただきました。
肩を動かしてみます
ベットに腰かけてもらい、肩の動きを確認します。
前から上げていきます(屈曲)。90度で肩に痛みが出ます。
横から上げていきます(外転)。30度ほどで肩に痛みが出ます。また、腕を横からあげようとすると、ズシンと腕の重さが伝わってきます。亜脱臼特有の感触です。
「あらあら、全然あがりませんね~」と私。
肩の筋肉・三角筋もカチカチです。
脱臼の整復を試みます
亜脱臼という想定ですが、脱臼の整復を試みます。
座位のままで、腕をうごかしながら、コッヘル法、ヒポクラテス法、ゼロポジション法、仙台操体医学院・今昭宏法をやっていきます。
この脱臼の整復と三角筋をはじめ、コリになっている筋肉にバランス操体法です。
すると、やはり、肩は上がるようになりました。
前からも、150度ほどまで。
横からも耳に腕がつくようになりました。
ただ、まだ、マックスまで、あげるところで、肩に痛みはでます。
ですから100%完璧とはいきませんが、肩をあげることはできるようになりました。
右肩の下がり具合も、左右水平に整ったとはいいませんが、ずいぶん右の肩の高さがあがりました。
上がらなかった肩がここまで上がれば、一回目としては、上出来でしょう。
あとは、マックスまで動かした時に出る痛みですが、
これは、亜脱臼からくるものなのか、筋肉のコリのせいなのか、残された課題、テーマです。
また、一歩、四十肩・五十肩の整体のレベルがあがってきました。