軸回転の法則で回旋について考えてみる
体のねじる動き、回旋は東洋医学的、経絡的には、「胃経と脾経」で支配しています。
この整体の方法を、軸回転の法則でもう少し解説・考えてみます。
体をねじる動きというのは、頭のてっぺんから、踵までを貫く軸がクルクル、右に回ったり、左に回ったりすることで生じます。
このとき、注意しなくてはいけないのは、軸の回転は、常に「左まわりする」ということです。
これは、地球の自転の回転・左回りの支配をうけているためです。
すると、体を右にねじったり、左にねじったりするということは、軸の方向が逆になるということです。
この「軸の方向」としかいいようのない、いい方なのですが、軸の方向、矢印、ベクトルが存在してしまいます。
地球の地軸といいますか、、、。
体を左にねじるときは、頭の方向、頭方に回転の軸が存在します。
体を右にねじるときは、足・踵の方向、足方に回転の軸が存在します。
そんなふうに考えます。
ここまでが、軸回転の法則の基本のルールです。
余談ですが、この軸回転の軸の方向を利用した整体がいわゆる「気功」という術なのだと、私は考えています。
胃経と脾経の動き
それでは、胃経と脾経について考えてみましょう。
右側の胃経は下肢をみてみますと、脛骨のななめ外側、大腿骨のななめ外側を走行します。
筋肉的には、前脛骨筋と大腿直筋の外側ですから、外側広筋のあたりになります。
脾経の下肢をみてみますと、脛骨のななめ内側、大腿骨のななめ内側を走行します。
筋肉的には、ヒラメ筋と大腿直筋の内側ですから、内側広筋のあたりを想定します。
この右の胃経にそって軸回転しますから、軸の方向は足の方向です。
そして、左回りすると、右足・右股関節は外旋します。
それでは、左はどうなるのだ、といわれると、この軸が逆方向になりますので、早くも、ここでも軸の回転をつかいますと、軸回転理論の屁理屈が破綻してしまいます。
ですから、便宜上、胃経は外にねじる動きをする。
脾経は内側にねじる動きをする、ということにしておきます。
上肢・腕にあてはめてみる
上肢も同様に考えます。
解剖学的姿位で、つまり、手のひらを前面にだした姿位ですが、すると、腕・前腕は橈側が外ねじり、胃経のラインといえます。
そして、尺側が脾経・内ねじりのラインとなります。
そのように、考えると、整体するさいに、全身の連動が大変わかりやすくなります。
仰向けで両膝を倒してみます。
右に倒す動作が、右足の胃経が作動している動きです。
すると、連動するラインとして、前腕の橈側のラインを使ってあげればよいということです。
操体法の動きの操法に応用してみる
操体法の動きの整体・操法では、膝倒し操法はもっとも基本の操法のひとつです。
この整体・操法を行うときの言葉の誘導がしやすくなります。
体の連動が見えているのですから。
もちろん、適合しないケースはもちろん出てきますが、、、。
例えば、両膝を右に倒してもらいます。
すると、作動する筋肉群は、右の胃経のラインです。
全身の連動を誘発するために、前腕の橈側・親指側の動きを誘導してあげればよいわけです。
こんなふうに。
「右の親指を意識してみて」
「右の親指の方に腕をねじってみて」などなど。
すると、さらに、足と腕を結ぶ体幹の誘導も容易になります。
右の胃経のラインは右の乳首のラインを想定すればよいわけですから、
「右のお腹も、肋骨も気持ちいいように使ってみて」などなど。
そんなふうに、この軸回転の軌跡の軌跡は、整体に使えるわけです。
トリガーポイントを捜すのにも使えますし、
このように、全身の連動を誘導する整体にも使えるわけです。
いろいろ応用しながら整体してみてくださいね。