膝倒しの動診で腰に痛みが出ます
仰向けでの膝倒しの動診は、腰痛の整体の際に必ず行う動診のひとつです。
この動診ひとつとっても、たくさんのことを学ばせていただいております。
両膝を立てて、左に倒すと、右の腰に痛みが出て、可動域制限がでます。
この際、よく観察しなくてはいけないのは、股関節の動きの可動域制限なのか、
上肢をもともなった可動域制限なのかを見極めることです。
両膝をたおしていくと、そのねじれの動作にともない、上肢も動いていく方がいるものです。
こういった動診の可動域制限の方の場合、腰痛とはいえ、上肢からの整体は欠かせません。
上肢・体幹を整体します
両膝をたてて、左に倒して右の腰に腰痛が出現し、なおかつ可動域制限が出る場合、
その作動している筋肉のポジションは、軸回転の法則的にいえば、右足の左斜め前のポジションになります。
そして、この動きに可動域制限をかけている筋肉のポジションは、右足の右斜め前のポジションになります。
この右斜め前のポジションをそのまま、体幹までさかのぼってたどっていきます。
すると、筋肉的には、外腹斜筋から、さらにさかのぼって前鋸筋まで整体していきます。
けれども、これでも、まだ、残念なことに、膝倒しの動診で可動域制限がでます。
されば、とて、この右斜め前のポジションの裏のポジションを整体します。
この裏のポジションとは、右斜め前の180度反対のポジションになります。
ですから、体幹でいえば、左の斜め後面ということになります。
裏のポジションを整体します
この左斜め後面のポジションには、左の外腹斜筋、腰方形筋が位置します。
さらには、ひだりの広背筋も視野に入ってきます。
このポジションを整体します。
すると、やっと、この両膝を左に倒すと出現する腰痛の可動域制限が改善されます。
このように、膝倒しの動診、膝倒しの可動域制限、腰痛ひとつとってみても、その動きは、股関節の動きの問題だけではなく、
体幹の前面・後面も視野に入れた整体が必要だということです。
それを一つの動作、例えば、「膝倒し操法」ひとつで決めれればよいのですが、なかなかそこまではいきません。
けれども、このようなこと、体幹の整体を意識しながら、「声かけ」をして、動きを誘導してあげれれば、また、その効果もちがってくるはずです。
要は、ただ、声をかけるのではなく、どこがその動きを必要としているかを、見抜けるかどうかということだと思われます。