「寝違えてしまったようで、、、」

「朝起きたら、首が痛くて、動かなくなってしまって、寝違えたようで、、」と言ってご来院です。

首を左右にねじっても、痛くてピクリとも動きません。

首を左右に倒そうとしても、痛くてピクリとも動きません。

首を後ろに反らそうとしても、痛くてピクリとも動きません。

「寝違えてしまったようで、、、」といいます。

通常の寝違えであれば、首から背中にかけての整体で寝違えの痛みは消え、首は動き始めるものです。

こちとら、これまでの経験でそんなことがわかっていますので、首・背中はあとまわしにして、ゆっくりと、末端のほうから、手からアプローチしていきます。

当院では肩こり・首こりのお客様には手からアプローチすることで、かなりの首こり・肩こりが楽になり、喜んでもらっています。

ところが、この方、手がもうカチカチに固いんですね。

「もみの操体法」を仕掛けても、寝違えた首・肩が楽になってきません。

もちろん、まだ首も痛くて動きません。

それでは、ということで、さっそく本丸の背中にアプローチ「もみの操体法」です。

背骨の両わきに圧痛をかけながら、「もみの操体法」をやっていきます。

けれども、まだ、寝違えた首は動いてきません。

これは、かなりの重症の寝違えのようです。

仕切り直しです。

前腕の皮膚に触れながら、前腕を内ねじりする方向でねじりあげていきます。

すると、前腕・上腕が内旋しながら、全身に連動する動きがでてきました。

確認です。

「おお~」。首が左右にねじれるようになりました。

やはり、基本に立ち返って、動きの操体法でこの寝違えに効果をだすことができました。

「首がなんとか、ねじれるようになったので、今日はここまでにしときますよ。ここから、さらにジワジワと自力で良くなっていくと思いますよ」と伝えます。

やれやれです。

「まだ、首が痛くて」

その二日後です。

「まだ首が痛くて」とご来院です。

なかなか一筋縄ではいかない寝違えです。

もう一度お話を伺います。

寝違えて首が動かなくなる前に何をしたのかを。

すると、毎週、土日はテニスをやっていること。

今週は、相棒が都合でこれなかったので、逆にいつも以上にサーブの練習にひたすら励んだことがわかりました。

前回は上半身を中心にした整体ばかりでしたので、この話を参考に下肢から整体することにします。

ふくらはぎに触れてみます。

「うわ~、これカチカチだ~!」。もうふくらはぎを攻めることにします。

「おお~!動いた!」

首を左にねじると右の首に出ていた痛みがかなり軽減されました。

さらに、仰向けになってもらい、今度は、左のふくらはぎを「もみの操体法」です。

「うわ~。痛くない。動く!」驚きの声が飛び出ます。

左にねじっても、もう右の首に痛みは出なくなりました。

どうやら、右手でサーブの練習をするあまり、体全体を支える、左足にかなりの負担がかかっていたようです。

それがコリとなり、全身がコチコチに固くなり、首が寝違えたように、動かなくなったにちがいありません。

こんな風に、寝違えだからといって、首に原因があるのではなく、ふくらはぎのコリからでも十分、首の痛みや寝違えが生じることがわかりました。

寝違えについて大変お勉強になる症例でした。

ありがとうございました。