右のお尻の痛みのメカニズム

坐骨神経痛、右のお尻の痛みのメカニズムについて考えてみます。

この方の立位の姿勢をもう一度みてみます。

背骨、腰椎が明らかに左に傾いています。

その原因を私は、右・内転筋の拘縮であると結論づけました。

右・内転筋が拘縮すると、右の内転筋が作動した状態になるはずです。

つまり、右の太ももが内転位に変位するはずです。

立つと、床に足が固定されるため、足・太ももは床から垂直に維持され、その影響で、体幹は太もも内転位の姿勢のままに、腰椎は左・側屈位に変位すると考えます。

また、その際、骨盤も右足・内転位に引っ張られてしまうはずです。

つまり、骨盤は「右側方傾斜」になります。

右側方傾斜とは、右回りに骨盤が回旋するということです。

「身体運動の機能解剖」(P129)を参照しています。

これで、もうひとつのことが理解できます。

なぜ、右足が長くて、左足が短いのか?ということです。

骨盤が右側方傾斜しているために、右足が長く見えているということです。

「身体運動の機能解剖」によると、骨盤が右側方傾斜すると、腰椎は左側屈すると記されています。

こういう現象が起きていたわけです。

①内転筋群が拘縮する。
②骨盤が右側方傾斜する。
③右足が長く見える。
④腰椎は左に側屈する。

それでは、なぜ、右の臀部に痛みが生じるのでしょうか?

きっと、

骨盤は右側方に傾斜し、その反面、腰椎は左に側屈してしまうため、ちょうど、その中間にある臀部にテンションが発生してしまい、痛みが生じているのではなかろうか、ということです。

同様に、体幹の前屈で可動域制限が生じるのも、臀部にテンションが発生している上に、さらに、体幹を前屈してしまうために、さらなるテンションが発生し、可動域制限を起こしているにちがいない、ということです。

このようなことを考えてみました。

皆様の臨床で検証いただけることを期待しております。