坐骨神経痛と肩こりの臨床レポート
ここまで、坐骨神経痛と肩こりというテーマで臨床レポートをまとめてきました。
坐骨神経痛と肩こり
坐骨神経痛と肩こり(2)
坐骨神経痛と肩こり(3)
この方、まだ興味深い症例がありました。
この方の坐骨神経痛の症状には手こずり、手掛かりをさがして、いろいろ動診を試みました。
すると、うつ伏せになってもらい、右膝を屈曲してみますと、90度屈曲で可動域制限がかかることがわかりました。
けれども、正座は痛みもなく、できるということです。
正座、膝関節の屈曲は問題ないが、うつ伏せになってもらうと、膝の屈曲ができない。
これは、どういうことなのでしょうか?
どちらも膝関節の屈曲じゃないか?何がおこっているのだろう?
ヒントは、うつ伏せで膝関節を屈曲していくと、骨盤が苦しそうに浮き上がるということです。
どうやら、この可動域制限の原因は膝関節ではなく、股関節か仙腸関節の問題のようです。
けれども、その解決策が思い当たりません。
この方、坐骨神経痛の症状でご来院いただき、右のお尻から足にかけて、体幹を後ろに反らすと、痛みが走ります。
この坐骨神経痛の症状の原因は、上肢、肩回り周辺のコリが原因であることがわかりました。
同じように、上肢、肩回りを整体して、この膝関節の可動域制限が解消されるか、試みてみます。
ああ、そういうことだったのです!
変化がでます。改善されます!
それも、反対側の肩まわりです。
右膝の可動域制限が、左の肩回りを整体することで改善されるのです。
確かに、構造医学の本の中に、肩関節の問題は、股関節が原因である、という説が解説されていたことを思い出します。
けれども、これまで肩関節の問題、例えば、四十肩・五十肩を股関節から整体して変わったことがなかったので、そんなもんかな~、と思っておりました。
これども、このように、肩関節周囲のコリを整体することで、膝関節の可動域が改善される現象を目の当たりにすると、「なるほど」と思わざる負えません。
左の肩回りから、背中まで範囲を広げます。
広背筋からさらに、その筋肉の連結から、
前鋸筋、外腹斜筋を想定して整体します。
さらに、膝関節の可動域制限は改善されます。
肩関節周囲から、左の背部のコリが、反対側の右側の膝関節にまで影響を与えていたとは、なんとも驚きの臨床となりました。
大変お勉強になった坐骨神経痛の整体となりました。