太ももとふくらはぎのこむら返り

こむら返りが起こりやすい部位といえば、ふくらはぎともうひとつは太ももです。

ひどいこむら返りになると、ふとももから、ふくらはぎまで一気におこり、それこそ身動きできなくなるものです。

太もものこむら返りの機序を考えてみました。

「こむら返りを整体する」で考察したように、ふくらはぎのこむら返りの原因は脛骨と腓骨の離開にちがいありません。

それでは、この太もものこむら返りの原因はどのように考えればよいのでしょうか。

これもやはり、鍵を握っているのは「腓骨」にちがいありません。

腓骨が離開する

太もものこむら返りは、ハムストリングスのうちでも、内側の筋肉、半腱様筋・半膜様筋で起きることはまれで、ほとんどが外側の大腿二頭筋でおきます。

そして、この大腿二頭筋の停止部というのが、まさに腓骨、腓骨の上部である腓骨頭です。

この腓骨が何らかの原因で下方に下がってしまうことで、脛骨と腓骨の離開が生じます。

この離開した状態を元に戻そうとして、筋性防御、猛烈な筋肉の収縮、太もものこむら返りがおきてしまう、と考えられます。

ふくらはぎのこむら返りは、腓骨の外側への離開であり、

太もものこむら返りは、腓骨の下方への離開である、と私は考えます。

太もものこむら返りがおきる原因

これで、太もものこむら返りがおきる機序は離開できました。

では、なぜ、腓骨が離開してしまうのでしょうか。

「こむら返りを整体する」でも指摘したように、筋肉をストレッチの状態にに、さらに負荷をかけると、より筋肉は膨張してしまうことを指摘しました。

それでは、太もものストレッチの状態とはどのような動作になるのでしょうか。

ハムストリングスは膝関節を屈曲する働きをします。

ですから、ストレッチの動作とは膝関節を伸ばすことです。

膝関節を伸ばして負荷をかけると筋肉は膨張します。

ということは、膝をしっかり伸ばして、直立して立つと、まさにハムストリングスをストレッチして負荷をかけることになります。

立ち仕事、販売員のお仕事をしている人はこのことに該当してきます。

そんな身近なところに腓骨を離開させる動作、姿勢は隠されているものです。

治し方は、ですから、離開した腓骨を締める、そして脛骨を頭方、上方にもどしてあげることになります。