軸の回転運動を制限しているポイントを探る

2017年9月2日、仙台操体医学院の講習会に参加してきました。

この日の講習会の実技のデモンストレーションの際、私が最近考えていたことと符合する臨床をみることができましたので、レポートしてみます。

最近、また改めて、池上六朗先生の提唱する三軸の考え方を思い浮かべるわけです。

人間の体の動きを「軸の回転」としてとらえる考え方です。

前屈・後屈、左右の側屈、左右の回旋を軸の回転運動としてとらえます。

それにプラスして、私は、軸の運動の制限をかけているのはその反対の動きにちがいないという考え方を追加してみました。

軸の運動の制限をかけている「ところ」にトリガーポイントがあるにちがいない、と考えます。

そして、そのトリガーポイントを解消してあげると、軸の回転運動はスムーズになり、可動域制限は改善される、と考えます。

仙台操体医学院でのデモンストレーションです

この日のモデルさんの動診をしてみますと、おおむね良好なのですが、

唯一、「首の右側屈」の動きに窮屈感が認められました。

この可動域制限を解消できるかどうかとひとつの目安としてデモンストレーションが行われました。

実技の担当は、仙台操体医学院の今貴史先生です。

この方の動診を見た時に、私はつぎのように考えていました。

首の右側屈が窮屈であるということは、

その作動する動作は、もちろん、首の右側屈なわけですが、

体幹でみると、もちろん、体幹の右側屈です。

さらに、下肢に目を向けると、お臍を軸回転の中心とみますから、

太もも・股関節は、左の太ももは外転する動作になります。

「首の右側屈ー体幹の右側屈ー左股関節の外転(右の股関節であれば内転となります)」

これらの動きが、ひとつの軸回転の動きによって表現されます。

この動きの逆のポジションにトリガーポイントがあるにちがいない、と考えました。

「左下肢の内側なんておもしろそうだな~」と推測しておりました。

今貴史先生の実技です

今貴史先生はやはり下肢から整体していきます。

すると、最初に触れたポイントは左太ももの内側です。

経穴でいえば「血海」といえますし、筋肉的には「内側広筋」といえます。

またさらに、左下肢、左かかとの内側を整体しました。

この2点です。

私がイメージしていた、「左下肢の内側」を図らずも剥がし、整体してもらえました。

この2点を剥がし、整体した後で、動診です。

すると、なんと、首の側屈の動きがスムーズになり、可動域制限は改善されているではありませんか!

私が考えていた軸の回転とその動きを制限するトリガーポイントとの関係が実証されたかたちとなり、内心大変よろこんでおりました。

トリガーポイントを探るには、もちろん触診が欠かせません。

けれども、全身すべてを触れていくことはできません。

ならば、トリガーポイントが存在している可能性の高いポイントが推測できれば、

トリガーポイントを探る手掛かりとなります。

その一助となる手段として、この軸回転とその制限するポイントとの関係の考え方は有効ではなかろうか、と考えております。

さらに、臨床のデータを積み重ねていきたいと考えております。

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