軸回転の回旋の考え方について
ここまで、軸回転の軌跡、軸回転が描くルートについて考察してきました。
軸回転の運動を、運動そのものとして、理解、利用するぶんにはなんら問題はないわけですが、
この軸回転の運動を平面上に、面的に表現しようとすると、どうなるか、ということを考えてきたわけです。
また、これは、軸回転の軌跡を人体の表面に描くことはできるのか?ということでもあります。
軸回転の軌跡、痕跡が人体に刻み込まれているのか、ということでもあります。
軸回転の軌跡のうち、前後屈および、側屈については容易に表現することができます。
けれども、回旋・ねじる動きをどう表現するのかが、課題となっておりました。
回旋の動きは、胃経と脾経であるということ
回旋の動きは、胃経と脾経であることは、知っていました。
知っては、いても、わからないわけです。
それが、どう動くのか、どう回旋するのか。
胃経と脾経がどうのように回旋運動するのか。
胃経と脾経は、経絡のひとつですから、ただの線です。
ただの線がなぜ、回旋のルートであり、回旋を表現しているのかが理解できません。
理解できませんでしたので、胃経と脾経が回旋であることさえも、疑ってさえおりました。
やっと、自分なりに理解することができました。
東洋医学的に、経絡的に正しいのかどうか、定説であるのかどうかは、わかりませんが、、、。
胃経は外旋、脾経は内旋です
結論を申しますと、胃経は外旋であり、脾経は内旋だということです。
胃経の線を軸にして、外旋します。
脾経の線を軸にして、内旋します。
下肢を例にみてみます。
胃経は脛骨の外側を走行します。
その線を軸にして外旋します。
脾経は脛骨の内側を走行します。
その線を軸にして内旋します。
つまり、内旋・外旋、この回旋・ねじれの軌跡は一本の線では表現できない、ということです。
内旋と外旋、右ねじりと左ねじりをそれぞれの線で表現しないことには、平面上では描くことができない、
人体上では描くことはできないということです。
三軸の軌跡を平面で描くと4軸八面体になる
下肢を例にしてみます。
右の下肢をイメージしてみて下さい。
右の下肢を一本の丸太に例えます。
丸太の前後には、前屈と後屈の軸の軌跡が。
丸太の左右には、側屈の軸の軌跡が描かれます。
ここまでは、わかりやすい。
さらに、上に記したように、脛骨の内側には内旋の線である脾経が、
脛骨の外側には外旋の線である胃経が位置します。
それぞれ、前面に位置する、胃経と脾経からまっすぐ後面まで貫く線を引きます。
これで、4軸となります。
この後面の軸をとりあえず、裏・胃経、裏・脾経としておきましょう。
これで、4軸・八面体のできあがりです。
この八面体を軸回転の軌跡と考えることができると思われます。
東洋医学の経絡図が複雑な経路をたどるのは、この軸運動の軌跡を六面体で表現しようとしたことからくると思われます。
八面体にすると、人体のすべてのパーツを統一的に八面体の経絡としてとらえることができます。
そう、人体を八面体で表現する!
操体法のシンボル図
このことに思い至った時、八面体を思い浮かべた時、
これは、操体法の創案者・橋本敬三先生が操体法のシンボルとして、
操体法を表現するものとして、橋本敬三先生が自ら考案した図です。
この図は、仙台操体医学院の今昭宏先生からお借りして、コピーさせていただきました。
ここに、八面体が表現されているではありませんか!
前と後ろの〇が前屈と後屈です。
左右の〇が左右の側屈です。
そして、右斜め前の〇が右回旋です。
左斜め前の〇が左回旋です。
右斜め後ろの〇が左斜め前の〇の左回旋の「裏」の〇です。
左斜め後ろの〇が右斜め前の〇の右回旋の「裏」の〇です。
このシンボル図を人体のパーツにあてはめていけば、人体の三軸運動の軌跡を描くことができます。
新しい、もっとシンプルな経絡図が完成しました。
なんのことはない、それは、橋本敬三先生が考えていた操体法の原理、人体の法則にほかなりません。
橋本敬三先生、ありがとうございます。