四十肩・五十肩で結帯動作の探究です。
まだ、見落としていた動作に気づきました。
なんとも、これは、基本中の基本の動作です。
もういちど、「私が考える」結帯動作を確認してみます。
結帯動作
①肩関節の伸展ー上腕を後ろに伸ばします。
②肩関節の内転ー上腕が後ろに伸びそこから、わずかですが、内側に入ります。
③肩関節の内旋ー①・②の次に上腕を内側・親指の方にねじります。
④橈尺関節・前腕の回内ー③と連動するのですが、上腕だけではく、前腕も内側・親指の方にねじる必要があります。
⑤手関節の撓屈ー手関節・手首を親指の方向に曲げる事により、手が肩甲骨の間にきれいに入ることができます。
この五つの動作が必要だと、「私は」考えます。
そして、さらに、この動きを補助するために、肩甲帯・肩甲骨の動きも欠かせません。
⑥肩甲帯の下方回旋ーこの下方回旋により②の肩関節の内転は可能になります。
肩甲帯の補助動作もあわせると、この六つの動作にかかわる「すべての」筋肉にコリ・拘縮がなくなることにより、美しい「結帯動作」が完成する、と「私は」考えます。
橈尺関節・前腕の回内
これまで、結帯動作の探究ということで(1)~(10)までのレポートを提出してきました。
この中に、この④が足りないことにきづきました。
この橈尺関節・前腕の回内がまた、結帯動作を完成させるために大きい鍵を握っていたわけです。
この橈尺関節・前腕の回内させる筋肉は
①円回内筋
②方形回内筋
この二つです。
けれども、この二つの筋肉は回内する筋肉であり、この回内の動作を「邪魔」する筋肉ではありません。
この回内の動作を邪魔する筋肉、回内の可動域制限をかける筋肉は
「回外筋」です。
回外筋について
回外筋について、解剖学の本をひもときながら見ていきます。
この本に準じてみていきます。
起始は、
上腕骨の外側上顆
肘関節の橈側側副靭帯
橈骨輪状靭帯
尺骨の回外筋稜
停止は
橈骨の橈側面の近位三分の一の領域
「回外筋は、前腕部の近位三分の一の領域の深層で、前腕骨間膜と橈骨の後面および橈骨の橈側面を覆う。
特に、総指伸筋と短橈側手根伸筋の間隔は広いため、指が回外筋に到達しやすく、その筋腹を容易に触知できる」。
総指伸筋と短橈側手根伸筋の深層に位置します。
ただ、その筋肉の走行が、橈骨・尺骨の鉛直方向ではなく、橈骨を尺骨を結ぶように走行しています。
ですから、この回外筋を整体しようとすると、総指伸筋と短橈側手根伸筋とは触れ方、整体の方向が異なるということです。
回外筋を整体します
実際に結帯動作で可動域制限のある方に、この回外筋を整体してみます。
すると、明らかに、可動域制限が改善されます。
これまで、レポートしてきたように、
肘筋ー尺側手根伸筋ー総指伸筋
に加えて、その深層にありながら、筋肉の走行のことなる、この回外筋も整体する必要があるわけです。
肩関節・上腕の内旋と動きが連動してしまうため、見落とされてしまいがちですが、この橈尺関節・前腕の回内は結帯動作において、非常に重要な作用をしております。