結帯動作は上肢全体の問題です
結帯動作の探究を続けているわけですが、
つくづくと、ひとつのトリガーポイントが原因で結帯動作の可動域制限がおきるわけではないと、痛感するわけです。
また、おなじような結帯動作の可動域制限のようにみえても、その原因となるトリガーポイントはちがうということです。
まだまだ、観察眼、動診力を磨いていかなくてはなりません。
結帯動作と僧帽筋
この方、保育士さんなのですが、これがもう満身創痍とは、この方のことではなかろうか、というほど、全身あちこち不具合があります。
そのひとつが、結帯動作の可動域制限です。
定期的にご来院いただいていて、手のしびれ感もあることから、前腕から肩、背中も整体していきます。
けれども、なかなかこの結帯動作が改善されてきません。
けれども、今回、ここを整体すると、驚くほど、この結帯動作が改善されました。
左の僧帽筋です。
左の僧帽筋の下行部の筋肉を握っています。
この僧帽筋の下行部は、鎖骨の外側三分の一の領域に付着します。
筋腹を握っているようにしか見えませんが、実は整体しているのは、この鎖骨の外側三分の一の領域です。
僧帽筋の停止部を狙います
結帯動作について、ネットの投稿記事を調べてみたことがあって、
理学療法士さんたちの研究で、やはり僧帽筋に注目した研究がありました。
けれども、その狙っていたのは、僧帽筋の起始部、脊柱を中心とした研究でした。
この方の場合は、僧帽筋の下行部の停止部です。
鎖骨の外側三分の一の領域です。
ここは、確かに筋肉も薄くなっていて、電極を入れて調べるにもなかなかむつかしと思われます。
ここを整体すると、ビフォーの写真はありませんが、ここまで、結帯動作が改善されました。
なかなかスムーズです。
僧帽筋と鎖骨の関係
僧帽筋の下行部は鎖骨の外側三分の一の領域に付着します。
ここが拘縮すると、鎖骨が後方にローリングすると思われます。
ところが、結帯動作には、肩関節の伸展および肩関節の内旋の動作が伴います。
この結帯動作を行うためには、鎖骨が前方にローリングする必要があります。
この動きを僧帽筋の下行部の拘縮が阻害しているのだと私は考えます。
この僧帽筋の下行部に触れているだけで、この筋肉が溶けてくるような感触が伝わつてくるものです。
鎖骨から剥がすというより、ただ触れているだけです。
それだけで、このタイプの結帯動作の可動域制限には十分威力を発揮してくれます。